電動キックボード「ノーヘルOK」に LUUPがシェアサービス開始、特例下で実現(1/2 ページ)
特例下で「ヘルメット装着なし」「自転車通行レーンの走行可」などがOKになります。
電動シェアサイクルサービスを展開するLuup社が、「ヘルメット着用は任意」とする電動キックボードのシェアサービス「LUUP」を2021年4月23日に開始しました。
電動キックボードは、電動モーターで走り、立ち乗りで運転できる乗りもの(関連記事)。玩具・レジャー用途のほか、高齢化や過疎化に伴う地域住民の交通手段として、街の手軽な移動手段として、歩くには少し遠い“ラストワンマイル”を埋める新たな移動手段としての普及も期待されています。
諸外国には街中の移動サービス・手段として一般化した都市もあり、カーシェア、サイクルシェアなどに比べると数は少ないものの、日本でもいくつかの事業者が自治体と協力しながら電動キックボードシェアサービスを展開。国内外、市販製品もかなりあります。
ただ、日本で電動キックボードを公道で乗るにはかなり大きな壁がありました。例えば電動キックボード「Wind3.0」(関連記事)や、立ち乗り電動スクーターとうたう「X-SCOOTER LOM」(関連記事)の車両区分は、「ナンバーをちゃんと取れる」ように日本の法的基準を満たす仕様にした「第一種原動機付自転車」として日本の公道を走れるようにしました。
この車両はいわゆる「原付バイク」と同じ扱いです。法に準じた灯火類などを正しく備え、ナンバープレートを取得して自賠責保険に加入し、「ヘルメットを着用」することで日本の車道を走ることが許されます。乗る側は面倒(シェアサービスならば特に)。さらに自身も、ほかの車両にも、特に交通量の多い道路では交通安全の大きな妨げになる危惧もありました。
Luupは、このような日本の現行法下では普及しにくい状況にあった電動キックボードの規制適正化に対し、規制の適正化とルールづくりに向けた業界団体「マイクロモビリティ推進協議会」を設立。今回、国の産業協力強化法に基づく「新事業特例制度」に認定されたことを受けて、特例下で「ヘルメット装着は任意」をはじめとするルールを定めた電動キックボードのシェアサービスを始めます。
具体的な諸条件は、車両区分を「小型特殊自動車」(普通自動車/中型自動車免許所持者も乗れる)とし、
- 「最高速度は時速15キロに制限」
- 「ヘルメット着用は任意」
- 「自転車レーンの走行は可」
- 「押し歩きする場合は歩行者とみなす」
- 「車両の走行が著しく多い道路は、自主的に走行禁止道路に設定(利用者に迂回を促す)」
など。サービス利用前に「運転免許証の登録」「走行確認テストの満点合格」も要します。特例対象は特例下サービスの車両のみ。既存の電動キックボード製品全般がヘルメット装着は任意になるわけではありません。
利用料金は110円/初乗り10分、以降16.5円/分。利用可能エリアはまず東京都渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区のみ。台数は100台、都内約300カ所(2021年4月現在)用意するLUUPシェアポートのうち、200ポートで電動キックボードの乗り降りに対応します。2021年夏にかけて大阪エリアでの導入も開始するほか、ポート数、台数を順次増やしていく計画です。
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