渋谷区とKDDI、高齢者の情報格差解消に向け、無料でスマートフォンを貸し出す実証事業を開始

高齢者（65歳以上）の25％がスマートフォン未所有とのこと。

[ねとらぼ]

　渋谷区とKDDIは9月6日、高齢者のデジタルデバイド（情報格差）解消に向け、対象者約1700人に無料でスマートフォンを貸し出す実証事業を開始したと発表しました。併せて、勉強会などによるスマホデビュー時のサポートや、今回の分析データに基づいた利用促進サポートも今後実施していくとのこと。

実証事業のイメージ

　渋谷区が募集した「65歳以上でスマートフォンを所有していない渋谷区民」約1700人が対象。対象者には2年間、無料でスマートフォン（Galaxy A20）を貸与し、さらに遠隔での操作サポートの実施や、使い方などで相談できるコールセンターの開設なども行います。その他、渋谷区の防災アプリや健康アプリ、キャッシュレスアプリなどのプリインストールや、使い方の勉強会なども行うとのこと。

貸与されるGalaxy A20

　渋谷区ではこれまで、LINEを活用した情報配信や、渋谷区防災アプリといったデジタルサービスの提供を進めてきました。しかし現状、65歳以上の高齢者4万3000人のうち約25％がスマートフォンを保有していないなど、デジタルサービスを十分に活用できていない状況にあるとのこと。普段からデジタルサービスを活用できていない場合、災害時に避難情報が届かない、オンライン申請などのサービスが活用できないといった状況も想定され、高齢者のデジタルデバイド解消は喫緊の課題になっているそうです。

　今回の実証事業を通じ、今後は高齢者のスマートフォン利用活性化に対する課題を抽出、分析結果を踏まえたサポートを実施していく予定としています。