ひらひらの軽い紙でできた切り絵が、人間業とは思えないほどハイクオリティーな繊細さで、鑑賞者を魅了しています。
切り絵作家の下村優介(@yuusuke_shimo)さんが投稿した3つの切り絵作品。1枚目は長方形の縁にゾウやゴリラ、カバなどたくさんの動物が集合。動物ごとの毛並みの違いがわかるほど、模様が丁寧に表現されています。気の遠くなるような時間と集中力に圧倒される……!
2枚目と3枚目は恐竜の顔を表現した作品。平らなところに置いたり額に飾っていると、平面の恐竜に見えますが、中央を手でそっと持ち上げると立体作品に早変わり。恐竜の顔に奥行きが出て、平面に配置したときと違った動きが感じられます。
作者の下村さんは異色の経歴の持ち主。学生時代は私大で美術系とは無縁のラグビー部に所属し、2011年にはラーメン店に就職。芸術家としての夢が諦めきれなず、方向性に迷っていたところ、就職先の店主からかけられた「切り絵でもやってみたら?」の一言で切り絵を始めて、現在に至ったといいます。
現在ではその腕が認められ、2019年にはパリで個展を開催するまでに。国内でもギャラリーや百貨店で作品を展開しています。
切り絵作家として成長を続ける下村さんにお話を伺いました
――切り絵の楽しさと魅力はどんなところにありますか
下村 切り絵は完成したときに得られる達成感がとても魅力です。また、紙を切るだけの芸術ですが、それでも作家によって表現に違いが生まれるのも面白いなと思っております。
――作品にかける時間は
下村 一概には言えないですが、1週間で切り上げる作品もあれば、数カ月かけて切る作品もあります。ちなみに、このツイートのティラノサウルスとトリケラトプスの切り絵は1週間で切り上げました。切る作業の前に、下絵を描いたり構想を練ったりと、そちらにも同じくらい時間はかけております。
――作品のテーマはどのように選んでいますか
下村 私は切り絵にも動きを与えたいと思い、制作に取り組んでおります。ですので、比較的動きが表現しやすい動物を選ぶことが多いです。その他自身の経験からスケッチの線を切り出す作品や、空間を使った切り絵展示にも取り組んでいます。
2体の恐竜の作品はどちらも緻密で丁寧な仕上がりに見えますが、仕上げるまでにかかった時間は1週間とのこと。その集中力にあらためて驚かされます。
下村さんはTwitterにて、作品だけでなく制作風景も公開しています。1つ1つの模様を切り出して、作品が着実に完成へと向かっていく様子は、眺めているだけで楽しい気持ちにさせてくれます。
画像提供:下村優介(@yuusuke_shimo)さん
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