昭和レトロな広告風の写真――。撮影者は投稿者のお祖父さま。広告っぽい写真を撮って勝手に企業に送りつけるのが好きだったといいます。どんな方だったのか、投稿者に話を聞きました。
昭和30年(1955年)頃に撮影された写真には、台所でしょうゆを2リットル瓶から小瓶に移し替えている女性が写っています。女性はおかずを手に持つ子どもにやさしく話しかけていて、温かい日常風景そのものといったところですが……、よく見るとキッコーマンのラベルがよく見えるようにセッティングされています。
他にも、食卓を囲む家族、しょうゆ瓶を抱える子どもの写真が投稿されています。どれも商品に目が行く構図です。お祖母さまやお父さまもいい表情をしています。
投稿者のイル・カポネさん(@ill_capone)に、話を聞くことができました。
―― 写真が発掘された経緯を教えてください。
イル・カポネさん:ある行事で私の小さい頃の写真が必要となり実家で古い写真を探していたら「わが家の記録」と書かれた古いアルバムがあり、これらの写真が出てきました。
―― 写真を見てどう感じましたか?
イル・カポネさん:はじめは当時の日常を撮影した普通の写真と思い、そこに写る父や祖父母の姿を「若いなぁ」と見ていました。そのとき一緒にいた私の両親が、「広告みたいな写真を撮っていろんなメーカーに送ることを祖父は好きでよくやっていた」と教えてくれました。よく見るとそこに写る商品がよく見えるように撮られていておもしろいなぁと思いました。
―― お祖父さまは、どんな人でしたか?
イル・カポネさん:とても家族思いで仕事熱心な祖父でした。元々、郵便局長をしていましたが父が自分で仕事を始めてからはそちらを手伝うようになりました。水墨画をよく描いており写真が趣味という印象はありませんでしたが、これらの写真を見ると若い頃は相当入れ込んでたんでしょうね。
―― お祖父さまは、どうしてこのようなことを……?
イル・カポネさん:なぜかはわかりませんが、何かとおもしろいことをやりたくなる気持ちは、同じ血が流れてるせいか、わかる気がします。祖父は15年ほど前に他界し、祖母も数年前に他界しましたが、撮影から70年近くたった今、多くの方に見ていただき、そしてたくさんの反響もいただききっとどこかで驚き喜んでいると思います。
Twitterには他の写真も公開されています。小学館、福助、不二家も勝手に宣伝しちゃっています。どれも印象に残る味わいあるすてきな写真です。
画像提供:イル・カポネ(@ill_capone)さん
(高橋ホイコ)
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いつの間にか見なくなったやつ。