JRグループ各社は、2022年3月12日にダイヤ改正を実施すると発表しました。運行本数の増減、新駅の開業、各種運用の見直しなど、主な実施内容をまとめてお届けします。
JR北海道
JR北海道では、利用の少ない7駅を廃止します。廃止されるのは、函館本線の池田園駅、流山温泉駅、銚子口駅、石谷駅、本石倉駅、根室本線(花咲線)の糸魚沢駅(厚岸町)、宗谷本線の歌内駅です。
札沼線(学研都市線)では新駅「ロイズタウン駅」が開業。JR北海道の在来線では、2002年4月に開業した流山温泉駅以来20年ぶりの新駅です。チョコレートなどでおなじみのロイズコンフェクト(ロイズ)「ふと美工場」の最寄り駅として設置されます。あわせて、石狩太美駅は「太美駅」に、石狩当別駅は「当別駅」に改称されます。
宗谷本線では、東風連駅を北に約1.5キロ移設し「名寄高校前」に改称。これまで普通列車でも一部の列車しか停車しない駅でしたが、移設に合わせて全ての普通列車と快速「なよろ」も停車するようになり、停車本数は8本から24本へ増加します。
根室本線新得〜帯広〜釧路間と石北本線旭川〜上川間では、電気式気動車「H100形」(愛称:DECMO)を計30両投入します。根室本線の同区間ではキハ40系が全て置き換えられ、平均3〜7分(新得〜帯広間で最大21分)の速達化が行われます。
また、札幌〜釧路間の特急「おおぞら」は、運行車両がキハ261系(1000番台)に統一され、キハ283系を全て置き換えます。キハ283系は1997年3月に「スーパーおおぞら」としてデビューした振り子式気動車。2020年3月に「スーパーおおぞら」は「おおぞら」に改称されましたが、今回のダイヤ改正で長年「おおぞらの顔」的な存在となっていた列車がついに一線を退くことになります。
その他、特急「北斗」と北海道新幹線の接続時間の改善や、一部の特急列車と普通列車では利用状況を反映した減便・減車も予定します。例えば、札幌〜旭川間では特急「ライラック」2本を臨時列車化し年間36日程度の運転に、土休日運転の臨時特急「カムイ」4本は年末年始やお盆などの繁忙期に限定して年間35日程度の運転に縮小されます。
JR東日本
JR東日本では、上越新幹線に「E7系」車両を追加投入。東京駅を発着する「とき」「たにがわ」の6往復12本が新たにE7系で運転されます。
山形新幹線「つばさ」は全車指定席に。併せて山形新幹線「つばさ」、秋田新幹線「こまち」の指定席料金と特急料金も改定します(関連記事)。
東北新幹線や上越新幹線、北陸新幹線(JR西日本の管轄を含む)などでは輸送体系を見直します。一部列車や区間を臨時列車化し、利用客の少ない列車3本(うち土休日のみ1本)を廃止します。
在来線特急列車では、「はちおうじ」「ときわ」「しらゆき」のうち利用客の少ない9本を廃止。「あずさ」「ときわ」「成田エクスプレス」「いなほ」では一部列車で運転区間を見直します。
品川行き「湘南」と新宿駅発着の「あずさ」「かいじ」の一部列車は東京駅に、上野駅発着の「ひたち」「ときわ」の一部は品川駅に延長されます。
「成田エクスプレス」は千葉駅に停車する列車が大幅に拡大され、日中時間帯でも約1時間おきに千葉駅に停車するようになります。一方で、大宮駅・池袋駅発着の成田エクスプレスは廃止され、いずれも新宿駅発着となります。また、大船駅発着の成田エクスプレスは、上下各1本で運転を取りやめます。
普通列車でも最近の利用状況を反映した運転本数の見直しを実施。首都圏線区では朝通勤時間帯や日中・夕時間帯の運転本数を減便し、首都圏以外でも一部線区で日中帯を中心に運転本数を減らします。
相模線では、既存の205系が全て新型車両「E131系」へ置き換わり、橋本〜茅ケ崎間の全列車でワンマン運転が開始されます。これに伴い、朝・夕時間帯で実施している横浜線への直通運転は取りやめます。
宇都宮線(宇都宮〜黒磯間)と日光線もE131系への置き換えを実施。同路線で205系(いろは車両を含む)は定期列車としての運転を終了します。宇都宮〜黒磯間では、一部の下り列車を除き宇都宮駅発着となり、同区間ではグリーン車の営業も廃止されます。
八高線と川越線でもワンマン運転を開始します。なお車両は現行と同じ4両編成です。併せて、朝・夕時間帯で実施している八高線〜青梅線〜中央快速線の直通運転を廃止します。この列車には五日市線直通の列車も連結されていますが、今回のダイヤ改正で五日市線と中央快速線の直通運転も取りやめます。
仙石線では土休日ダイヤを設定。磐越西線(郡山〜会津若松間)や仙台空港アクセス線、奥羽本線では、日中帯〜夕方を中心に発車時刻をパターン化し、利用客にわかりやすく覚えやすいダイヤが導入されます。
信越本線では、全車指定席の快速「信越」が廃止。北上線では、「平石駅」「矢美津駅」が廃止されます。
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