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なぜ「西九州新幹線」なの? 長崎新幹線じゃダメだった理由月刊乗り鉄話題(2021年8月版) 「西九州新幹線」の素朴な疑問11選(1)(1/2 ページ)

長崎新幹線という名前じゃなかったの……? っていうか開業区間が中途半端じゃないですか……? などなど。2022年秋開業、西九州新幹線の「?」を解消する素朴な疑問まとめをお届けします。

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 今年(2021年)になって「西九州新幹線」という路線名が急に報じられました。沿線の人々や鉄道の話題を追っている人ならばそれでも「ああ、あそこね」ですけれども、「ナニソレ、ドコソレ、急にそんな路線名が出てきちゃったよ」とビックリした人もいらっしゃるかもしれません。

西九州新幹線
2021年4月に列車名を決定、2021年7月に車両デザイン(ロゴやシンボルマーク)が決定し、2022年秋開業予定の「西九州新幹線」

 2022年秋に開業する「西九州新幹線」(関連記事)って何?──。今回は、現時点で分かっている情報から、よく聞かれる「西九州新幹線の素朴な疑問」に答えていきましょう。

【疑問 1】西九州新幹線はどこにできるの? どこを通るの? 長崎新幹線……じゃなかったの?

 西九州新幹線は、佐賀県武雄市の武雄温泉駅と長崎県の長崎駅を結びます。距離は約67キロです。

西九州新幹線
西九州新幹線のルート(地理院地図を加工)

 いままで「長崎新幹線」や「九州新幹線西九州ルート」などと呼ばれていました。これらの呼び方の方が広まっていましたよね。

 しかし、2021年4月28日に運行会社のJR九州が「西九州新幹線を路線名とする」と発表しました。今後は西九州新幹線が正式な路線名称。開業までは「西九州新幹線(長崎ルート)」などと表記するところもありそうです。

 設備はトンネルが31、鉄橋が168、高架橋総延長が約13.6キロ、地上部が約5.3キロです。全体の約61%がトンネル。車窓を眺められる時間は短そうな新幹線です。

【疑問 2】「長崎新幹線」じゃダメだったの?

 「西九州新幹線」の正式名称決定前は「長崎新幹線」や「九州新幹線西九州ルート」などと呼ばれていました。長崎新幹線などではダメだったのでしょうか。

 「西九州」は九州北部の西側地方を指す言葉です。西九州新幹線は長崎県だけではなく、一部が佐賀県にもかかっています。当初の計画は新鳥栖駅から佐賀県を横断して長崎県に至るルートでした。長崎ではなく「西九州」としたのは、将来、佐賀県内への延伸も期待しているためと言えそうです。

 路線名称決定の経緯をたどってみましょう。

 1973年に整備計画が決定されたときは「九州新幹線」でした。九州新幹線は福岡市〜鹿児島市を結ぶ「鹿児島ルート(通称)」と、福岡市と長崎市を結ぶ「長崎ルート(通称)」がありました。

 鹿児島ルートが先に「九州新幹線」として開業しました。このため「九州新幹線(長崎ルート)」では混同しやすいため「長崎新幹線」という通称が広まりました。

 その後、佐賀県への配慮もあって、JR九州は正式路線名称の決定まで「九州新幹線 西九州ルート」と表記していました。「西九州新幹線」は「西九州ルート」からの採用とも言えます。

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