「硬券きっぷ」いまだ現役 なぜ岳南電車は「きっぷを買って電車に乗る」だけで昭和タイムスリップできるのか(1/2 ページ)
今も変わらず、きっぷを買って日付を「ガッチャン」。
きっぷを入手して、電車に乗る。それだけで楽しい──。静岡県富士市を走るローカル私鉄・岳南電車の公式Twitterアカウント(@GakunanEtrain)が、今なお残る硬券きっぷを通じた懐かしさ満載の動画を公開しました。
岳南電車は、名の通り富士山(岳)の南側を走る延長約9.2キロのローカル線です。「全ての駅から富士山が見える特徴」(関連記事)や、「工場地帯を進む異世界感・エヴァ感ありまくりの車窓」(関連記事)で人気があります。
映像製作は、全国各地の鉄道を主題にノスタルジーや歴史、鉄道と鉄道員への深い愛情を表現する鉄道動画でおなじみの鉄道ビデオグラファー、特急ぬめり(@NumeriExpress)さん。今回も懐かしさと珍しさが入り交じる不思議な感覚で「思わず行きたく」なってしまいます。
岳南電車もう1つの異世界体験、それは「きっぷ」です。
岳南電車の有人駅窓口で今なお販売されているきっぷは「硬券」タイプ。昔はあたり前のものでした。時代が進んで自動券売機で買うきっぷやプリペイドカードになり、今はICカードでピッになり、もう“実体”のない電子チケット化まで進んでいるのは皆さんもご存じの通りです。
そんな絶滅危惧種である硬券きっぷの世界へ疑似タイムトラベルしてみましょう。料金を支払うと、硬券に日付を刻印するための機械「ダッチングマシン」(関連記事)でガチャンと刻印し、料金を支払い列車に乗れる証となる「きっぷ」を入手できます。
……RPGで先に進むための重要アイテムゲットだ! みたいですが、あたり前に存在するので現代人がもはや忘れている「きっぷ(切符)」本来の意味をハッと改めて思い出させてくれます。
きっぷを手に、これも文字通りの物理的な「発車ベル」の音色を背に乗車。発車ベルが鳴り止み、駅員さんと運転士さんがハンドサインで合図する様子を見てから出発進行──。人によっては懐かしく、またある人にとっては未体験の「きっぷを入手して電車に乗る」。ここはそんな鉄道の原体験を味わえるところなのです。あぁぁ、ほんといい世界だ……!
ネットでも「レトロで味がある」「きっぷホルダーと日付刻印機がまだ現役だなんて」といった声が多く寄せられ、昔を思い出し懐かしむ人、知らない“昔”を体験したくなった人が続出していました。
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裏側もまた違ったよさがあります。