搭乗する
コックピットには、足の間に操縦かん、足元に方向舵を操作するラダー、目の前に速度計、高度計、昇降計などがあります。
スピーカーからは法政大学の学生さんが発航準備の無線のやりとりが聞こえます。そして、「出発!」の合図がされると、ウインチがロープを巻き取り、「ゴーーーーー」と音を立てながら一気に離陸。時速は約100キロ。ほぼ高速を走っている速さです。ジェットコースターのような、エレベーターに乗っているかのような浮遊感と重力を体で受けながらどんどん高度を上げていきます。
出発してから1分ほどで高度500メートルに到達。ウインチにつながるロープが外れて、自力でフライトします。
実際に乗るまでは、本当にエンジンなしで飛ぶのか……とおびえていましたが、飛んでしまえば恐怖心はゼロに。むしろエンジンがないので、フライト中の余計な機械音がなく、風を切る音がよく聞こえます。景色は、富士山や浅間山、スカイツリーも遠くの方で小さく確認できました。
さらに、離陸地点は、はるか遠く小さく見える程度になってしまいましたし、地上にいるときには見えなかった田畑が確認でき、きれいな模様のように見えます。世界はこんなに広かったのか……と悟りを開きかけました。
また、空一面に雲が広がっていたため、パイロットの方いわく「(この日は)上昇気流はないですね」とのことでしたが、着陸前、サーマルに遭遇。当然、目視では確認できないのですが、下からポンッと突かれたような感覚があり、それを頼りに旋回すると、フワッと上昇。サーマルを捉えることができました。サーマルの感覚としてはなんとなく分かりますが、つるたまはこれを一発で見つけて、簡単につかまえたなんてすごすぎます。
10分ほど空の旅を楽しんで、ゆっくりと下降していき、着陸ポイントを目指します。着陸はパイロットの腕の見せ所。ベテランのパイロットの方でも一番難しい技術らしく、エアブレーキを使いながら、ゆっくり高度を下げていきます。このときも、エレベーターやジェットコースターに乗っているときのような浮遊感がありますが、着陸の衝撃は思っていたよりソフトで、スムーズに地上に舞い戻りました。ただいま地上。
搭乗前はビクビクしていた筆者ですが、搭乗後は「また乗りたい」という気持ちが圧勝。フワフワした気持ちを抱きつつ、地上をしっかり踏みしめられることの喜びも実感しました。
法政大学体育会航空部の3年生にインタビュー
体験でお邪魔させていただいた法政大学体育会航空部の3年生にお話を聞きました。
――なぜグライダーを選択したのですか?
グライダーの存在は知らなかったのですが、もともとパイロットに憧れがあって、新人勧誘のときに“グライダーパイロット募集中”という言葉に惹かれて入部しました。
――普段の活動は?
入部してからは、まず1人で飛ぶファーストソロを目標に練習を重ねて、大会の優勝を目標に活動しています。最初は真っすぐ飛ぶことすら難しいです。なので、座学で知識をつけながら、実際にたくさん飛んで感覚をつかむことが一番の効果的な練習です。
――となるとやっぱりつるたますごいんだな……『ブルーサーマル』は読んだことありますか?
あります。つるたまはやばいです。現実にあんなことをしたら教官が怒ると思いますし、彼女はすぐ飛行停止になると思います。
――読んでいて実際とは異なる点などありますか?
うーん……倉持先輩みたいな若くてイケメン教官はいない……ということですかね(笑)。
――それはレアそうですね(笑)。今後はどんなことを目標に活動をされますか?
今は、大会に出場するために必要な自家用操縦士というライセンス取得が目標です。あとは、周回経験がないと出場できない大会もあるので、それをクリアすることです。
――本日は貴重な練習のお時間を使って体験させていただきありがとうございました! 「つるたまはやばい」ということがよく分かりました!
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