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“Twitterで稼げる漫画家”は現れるか? Twitterで漫画家を育成するプロジェクト「アクセルナイン」運営に聞く手応え(2/3 ページ)

“Twitterで稼げる漫画家”育成を目指すプロジェクトが進行中。その運営元を取材しました。

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Twitter漫画は他の漫画とどう違う?

―― ではTwitter漫画についてうかがいたいのですが、他の漫画との違いは何だと思いますか。

工藤さん 八木戸マトさんと話していてよく出るのが、「Twitter漫画の大きな特徴は4P(ページ)で漫画を作るところ」です。他の漫画と比べ圧倒的にページ数が少ないため、一般漫画ではあまり多用されない「ひとコマに2つの情報を入れる」ことも、Twitter漫画では4Pでまとめるために必要だったりします。意識としても、4Pの中でいかに情報を詰め込めるかや、4P漫画で展開を作りやすい題材を見極める必要があります。


Twitter漫画の特徴は「4ページで話を作る」(講義資料より)(画像提供:ナンバーナイン)
2021年末にナンバーナインが開催したオンライントークイベント「漫画家ミライ会議」のアーカイブ。八木戸マトさんがTwitter漫画の特色について話しています

―― 「バズり」を商業的な成功につなげるのは難しいのでしょうか。

工藤さん バズった作品が必ずしも商業的な成功につながるとは思いません。「バズり」にもいくつか種類があると思うんですが、商業的な成功につなげやすいのは、キャラクターの魅力でバズっているものだと私は思います。

 逆に時事ネタや共感性の高い話題などでバズっている場合は、その作品の魅力がキャラクターやストーリーではない可能性があるので、単行本というパッケージにまとめたときに買ってもらいにくいのかなと感じます。

 「アクセルナイン」で連載としてやっていくものに関しては、電子書籍としてパッケージとしてまとめたときに商品性があり、買ってもらいやすいか? というところは意識しています。

―― Twitter発のヒット作品・作家は増えると思いますか。

工藤さん 増えると思います。むしろ「アクセルナイン」を通して増やしていこうと考えています。Twitterはメディアの特性上、ストーリー漫画やバトル漫画のようなジャンルは今のところ難しいかなと思っていますが、キャラクターを好きになってもらうラブコメ漫画、キャラクター漫画を生み出す場所としては、強い力を持っていると思います。それくらい、Twitter上で漫画を読むということが当たり前になってきています。

 ただ、トレンドもすぐ変わる場所であることも確かです。「アクセルナイン」では4P漫画のフォーマットでヒットさせようとしていますが、今だとタイムラインの画像表示の影響で2P漫画や1P漫画のほうが伸びやすくなっています。「アクセルナイン」では、今の形が唯一の正解ではなく、こうした変化に対してもアンテナを張ってアップデートしていきたいと思っています。


 アクセルナインは現在、プレーヤーを4人に拡大して2期生を募集中。プレーヤーは受講料を払う必要はありませんが、卒業したら新入生をサポートし、相互補助する役割を期待されます。そうやってアクセルナインを「漫画家のためのギルド」にしていきたいと述べる工藤さん。Twitterから生まれる“漫画家ギルド”、そこからどんな才能が飛び立っていくのか期待が持たれます。

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