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集英社、宗教2世への取材漫画を打ち切り 「特定の宗教や団体の信者を傷つけるものになっていた」(1/2 ページ)

連載再開に向けた話し合いが行われていましたが、打ち切りが決定しました。

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 集英社は3月17日、「よみタイ」で連載していた漫画『「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜』の打ち切りを発表しました。

 同作は、複数の「宗教2世」への取材内容を元に、当事者の体験を一人称視点で描いた作品。子どものころから保護者が信仰する宗教を厳守するよう教えられることで、社会生活を送る上で直面するさまざまな苦悩を描いていました。作者は『酔うと化け物になる父がつらい』などで知られる菊池真理子さん。

 連載は2021年9月にスタートしましたが、2022年1月に掲載された第5話が2月10日に突然公開終了に。よみタイ編集部はこのとき第5話の取り下げ理由について「あたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかのような描き方をしている箇所がありました」として、結果的に特定の宗教や団体の信者を傷つけるものになっていたことを謝罪していました。

 その後、間もなく1〜4話も公開終了に。よみタイ編集部は連載再開のため作者と協議を重ねたものの、3月17日に「本来、制作段階にて編集部が行うべき事実確認や表現の検討が十分ではない箇所がございました」として、あらためて連載終了を発表しました。

 菊池さんも自身のTwitterアカウントで終了理由について説明。菊池さんは「まずはお話を聞かせてくださった方々、応援してくださった皆さまにお詫び申し上げます」と関係者や読者に謝罪した上で、集英社側が執筆段階での取材不足を理由に、取材対象者を増やしたり、教団側にも間違いがないか意見を聞くべきとの考えだったと説明。

 作者側としては、時代や場所によって教義が異なる場合や、教団側から反論が来ることも想定でき、その際に「嘘つきあつかいされて傷つくのは、お話を聞かせてくださった方です」と、集英社側と着地点が見つからなかったと告白。最終的には菊池さん側から連載を終了したいと申し出たことを明かしました。

 菊池さんの報告ツイートはこれまでに2500件以上のリツイート、3500件以上の“いいね”を集めており、Twitter上では「別媒体で是非公開してください!」「ワイも宗教二世。すごく分かる漫画だったのに……」「これこそ言論弾圧じゃないのか…」と作品を応援する声や、「この題材で両論併記はありえない」「出版社の甘さを作者に押し付けるのは酷すぎる話」と集英社の対応を批判する声が目立ちます。

 菊池さんは一連のツイートを「このままで終わろうとも思っていないので、もうちょっとあがきますね」と締めくくっており、引き続き作品の行方に注目が集まっています。

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