「口の中が血だらけの味」 “鉄の味の金平糖”がTwitterで話題 販売元「『まずい』というお声もよくいただきます」(1/2 ページ)
「口に含んで30秒ぐらいすると口の中から血が吹き出した味がする」と紹介されて話題に。
口に含んでしばらくすると血が噴き出した感覚になる――そんな一風変わった金平糖を紹介するTwitterの投稿に注目が集まっています。販売しているホテルに開発の経緯やそこに込められた思いについて聞いてみました。
「1粒、口に含んで30秒ぐらいすると口の中から血が吹き出した味がする。歯肉炎になったかと思う。歯が抜けたかと思う。とにかく口の中が血だらけの味する」というコメントを添えて、金平糖の写真を投稿したのはTwitterユーザーのうちゃかさん(@sayakaiurani)。投稿は約6万いいねを集め、「お菓子テロじゃんw」「北九州市が世界に誇る食の刺客ではないですか」などのリプライが寄せられています。
この金平糖は、福岡県北九州市の大正時代創業の千草ホテルが販売している「鐵平糖」。2015年に世界遺産に登録された官営八幡製鐵所の「鐵」にちなんで、鉄分サプリなどによく使われる成分を金平糖に配合しています。
千草ホテルは北九州の官営八幡製鐵所の世界遺産登録にあたり、地元企業としてなにか盛り上げられないかという熱意のもと鐵平糖を企画。地元で1934年創業の老舗菓子メーカー、入江製菓の協力で開発しました。おいしいものを作ろうと十数回試行錯誤を重ねたものの、鉄分と糖分は相性が良くなかったようで、味は金平糖本来の糖分の優しさはなく、配合した鉄分が勝りかなりハードなお味に仕上がりました。
「口の中が血だらけの味」な鐵平糖、果たしてお客さんからの評判はどうなのでしょうか?
――お客さんの反応はいかがですか?
千草ホテル お手になさった方の第一声は、「まずい」というお声もよくいただきます。確かに糖分より先に強い鉄分が感じられ、まさに血の味が感じられるほど「まずい」です。老舗ホテルがなんてことをするんだとお叱りのお手紙をいただいたこともありますが、製鉄所とともに歩んできた八幡の歴史文化をご紹介するアイテムとしてご活用いただければ幸いです。
本製品は鉄分が配合されているので、口に含んだときの血のような感覚は確かに感じ取っていただけると思います。人間の鉄分の感じ方はさまざまで、10人いれば十人十色。全く感じない方もいらっしゃるようです。「鉄音痴は誰だ?」というゲームもできるのではないでしょうか?
――Twitterで話題になっていることについて感想を聞かせてください。
千草ホテル これまで口コミで多少の売り上げはありましたが、Twitterで紹介されてからは80件ほどの注文を急にいただきまして本当に驚いています。Twitterの拡散がきっかけで北九州の観光資源としての製鉄所の歴史に注目が集まったこともありがたく思っています。
実を言うとこの商品はあまり、商売としては考えておりません。今後も利益を求めて色気も出しません。本当に「まずい」この金平糖ですが、日本の産業とともに八幡が歩んできた歴史を一口含んで「心」にかみしめて思いをはせていただければうれしいですね。
この「鐵」を強く感じることしかできない「まずい」金平糖。その裏には、地元の歴史文化を広く伝えたいというホテルの姿がありました。鐵平糖は40グラム入り440円で、千草ホテルのほか、北九州市内の博物館や小倉井筒屋で購入できます。
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