ゆるふわ女子の日々を眺めながら、凄惨な中学生の悲劇を追う 2回目の「Project:;COLD」は情報量マシマシ、エモさマシマシ:あのキャラに花束を(5/5 ページ)
謎解きに必要な情報もノイズも、制作者の愛でいっぱい。
そう遠くない未来で
今回は事件の謎解きが極度に早いことに対して、みやまんルートの物語が存在し動き続けているのは、フォローとしても大きな物がありました。前回は謎を解いた後ひまになる、という穴があったのですが、そこを完全にカバー。6人の物語が別軸で動くことで、飽きさせるひまが一切うまれない構造です。名前の出て来ない人たちも、みやまんの青春も、「C」と事件関係者も、最終的にはみんな並行して同じ時間を生きている、群像劇になりました。
ところで救済のために事件前から改変したあと、事件はなかったことになり、みやまんと「C」の接点は消滅します。解消するために奔走した「C」は覚えていても、みやまん側は記憶が全部なくなりました。
何もかもハッピーでよかったねー! と思わせておいての、この切ない展開。望んでいた目的は果たした。けれどもなんだろう、幸せと悲しみを抱えて一歩進む感覚。
全く縁がないなんてさみしすぎる。でも事件があったからこその縁なんていやすぎる。フォローが外れるというSNSならではの切なさから伝わってくるものは多いですが、SNSだからこそつむげる縁もあります。このやりとりを見て感じるために、二つの物語を全部見て損はないです。SNS時代に生まれる大切なきずな、というある意味このシリーズの核になる部分を、ほんわかと残虐、優しさと切なさを交互に感じながらリアルタイムで見られた人は、本当に幸せだと思います。
正直マネタイズどうやってるの? 大丈夫? と感じてしまうほどにでかいプロジェクトを無料で見せてくれるこの「Project:;COLD」シリーズ。ここにしかない魅力は、確実にあります。しかも一切手抜きがない。今回ある人物が「そう遠くない未来で、きっとまた会うことになる」と語っています。期待して、いいはずです。ぜひ次があったら……大変だとは思うので全部は追わなくてもいいはずです(今回の演出を見る限り)、でもなんとかちょっとだけ参加してみてください。虚構と現実がぐちゃぐちゃになった状態での、融解班、キャラクター、多数の人間模様の渦から生まれる物語がSNSから感じられるはずです。そう信じています。
(たまごまご)
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