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ダメなところが愛おしい 残念な鉄道車両にスポットを当てた書籍『さらに残念な鉄道車両たち』発売

「食パン電車」と呼ばれた419・715系近郊形電車や、不人気ロマンスカー「小田急30000形EXE」など。

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 航空・鉄道に関する書籍を手掛けるイカロス出版が、『さらに残念な鉄道車両たち』(1980円)を発売。ダメなところが愛おしいと思える、個性的な列車たちを紹介・解説しています。

さらに残念な鉄道車両たち シリーズ第3弾『さらに残念な鉄道車両たち』。著者は鉄道や鉄道模型、旅行関連などの書籍を手掛けてきたライター・カメラマンの池口英司さん

 『さらに残念な鉄道車両たち』は2017年10月発売の『残念な鉄道車両たち』、2020年3月発売『もっと残念な鉄道車両たち』に続くシリーズ第3弾。鉄道の中で名車として長く記憶されたものではなく、残念ながら期待された成果を出せないうちに運行を終えてしまった列車や、高い評価を得られなかった車両に注目しています。

 同書では国鉄の赤字を背景に生まれ、「食パン電車」と呼ばれた419・715系近郊形電車や、グッドデザイン賞・ロングライフデザイン賞に選定されるも、堅実なデザインが仇となりロマンスカーの中では人気がパッとしない「小田急30000形EXE」など。名車と呼ばれたかもしれないポテンシャルを秘めつつも、「残念」な結果になってしまった理由に迫ります。

さらに残念な鉄道車両たち 赤字の国鉄が581・583系寝台座席兼用特急形電車を改造して作った419・715系近郊形電車。中間車両が先頭化された改造車両は独特な外観から「食パン電車」と呼ばれた
さらに残念な鉄道車両たち 観光だけでなくビジネスにもとキャパシティの増大が図られた「小田急30000形EXE」。グッドデザイン賞・ロングライフデザイン賞に選定されるも、地味ゆえにロマンスカーの中では不人気
さらに残念な鉄道車両たち 2021年に運行を終了した「M100形」は、1961年ラッシュ対策としてモーターが付いた電車(親)と付随車(子)の「親子電車」としてデビュー。連接車の登場によりワンマン化し、「子」は現在、札幌市交通局の交通資料館に
さらに残念な鉄道車両たち 豪華列車の旅が楽しめると人気のクルーズトレインですが、道事業者にとっては危うい面もあるとのこと
さらに残念な鉄道車両たち 「キハ32形気動車」を、「0系新幹線」をモデルに改造した「JR四国キハ32系鉄道ホビートレイン」。鉄道ファンの評価を二分しました

 鉄道開業150年を迎えた今年、2022年。意欲的すぎたコンセプトや計画から製造までの需要の変化、乗客の要望をつかみきれなかったなど、さまざまな理由で世間的な評価が得られていない車両も、鉄道の歴史のなかで大きな功績と意義があったと感じられる1冊だとしています。

<掲載車両>

国鉄C62形2・3号機、国鉄急行形サハシ、国鉄キワ90形有蓋気動車、国鉄キハ08系気動車、

国鉄EF80形電気機関車、札幌市交通局M100形、国鉄183系特急形電車、国鉄72系アコモデーション改善車、

国鉄50系客車、京浜急行電鉄800形電車、国鉄200系新幹線電車、京阪5000系電車、

国鉄419・715系近郊形電車、国鉄100系新幹線電車、銚子電鉄澪つくし号、国鉄211系近郊形電車、

伊豆急行ロイヤルボックス、JR西日本クモハ184形電車、北近畿タンゴ鉄道KTR001系、

JR東海300系新幹線電車、JR東日本E501系通勤形電車、小田急電鉄30000系特急形電車、

JR東日本E4系新幹線電車、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、JR東日本E259系特急形電車、

JR東・西・九州クルーズトレイン、JR四国キハ32系鉄道ホビートレイン、JR東日本E235系、

阿佐海岸鉄道DMV、国鉄鉄道連絡船


(谷町邦子 FacebookTwitter

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