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「ラストオリジン」ついに実装された虚淵玄シナリオが控えめに言って最高でしたという話(2/2 ページ)

これでもかとお出しされる虚淵氏の分かりやすい嗜好!

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控えめに言って最高だった虚淵シナリオ

 本題前についついラスオリの歴史を語ってしまいましたが、これだけの問題を乗り越えた果てにやってきた虚淵シナリオの出来はどうだったか? 控えめに言って最高でした。

 そもそも虚淵氏がラストオリジンを愛好した理由は「人に作られた人間的な存在」への愛情によるものと思われます。ラストオリジンに出てくる女の子たちはほぼ全員がバイオロイドと呼ばれる人造生命であり、彼女たちが過去どのような扱いを受けていたかについてはイベントなどで語られてきました。その上で、当の彼女たちが己の立場をどう考えていたか、人造生命という存在をどう自覚していたかについて一歩踏み込んで語られていたのが当イベントとなります。

 繰り返し語られる「人によって作られた自分たちは死んだら神に救われるのか」という登場人物の思いが大変印象的であり、虚淵氏の「“人間と同じ情緒を持っているのに、自分は人間ではないという自覚をプログラミングされている人造生命の悲哀”が三度の飯より好き」という嗜好が大変よく伝わってくる作品でした。このへんの「登場人物の過去がどれほどつらいものでも今は幸せだからOKです」という方向性は虚淵氏の過去作品を思わせるところがあり、そういった意味でも大変楽しめました。

ラストオリジン 虚淵玄 これでもかとお出しされてくる虚淵氏の分かりやすい嗜好!
ラストオリジン 虚淵玄
ラストオリジン 虚淵玄
ラストオリジン 虚淵玄

 また、お話に登場するバイオロイドたちの軽妙な会話もエロゲーシナリオを書いていた時代の虚淵氏を思い出させるものがあり、そういう意味でも楽しめる一品です。具体的には「下品で二言目には下ネタジョークを口にするが行動自体はひたすらに格好いい」戦う女たちが好きなら一見の価値はあるでしょう。ラストオリジンを知らない人でも虚淵氏のファンであれば気に入ること間違いなし。ぜひオススメしたいと思っています。イベント自体の難易度もそう高くはなく、7月27日の終了までには読了できるものと思いますし、現在イベントシナリオ本編は完結しているものの、これから番外編の実装も予定されています。

ラストオリジン 虚淵玄 こちらも趣味嗜好が分かりやすいカッコいい女たちのセリフの数々
ラストオリジン 虚淵玄
ラストオリジン 虚淵玄

 なおこのイベントは本来6月中旬から始まったイベントだったのですが、その時点では前半部分しかシナリオが公開されておらず、完結を見るまで紹介を待とうと思ったため紹介が遅れてしまいました。

 なぜ通読してからと思ったかというと、アニメのゴジラ3部作(※編注:原案・脚本を虚淵玄氏が担当)を思い出していただきたいです。あれを第1部だけ見て「これから面白くなるから!」と(レビュー記事)、2部と3部が公開されていないのに勧めるようなマネは私にはできません(同じく2部レビュー3部レビュー)。私は虚淵信者であるという自覚はありますが、それでも限度というものがございます。最初に公開されたシナリオの部分でそうひどいことにはならないだろう、とは思ったのですが、念のため待ってみました。

 もちろん、こんなイベントシナリオがお出しされるぐらい、本編も虚淵氏垂ぜんのものとなっています。プレイのしやすさが一層高まり、さらにオススメできる作品となったラストオリジン。次回当コーナーでの紹介がサービス終了記事にならないよう、皆さまご協力いただければ幸いです。

 

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