高等専門学校時代に卒業研究でピッチングマシンを作ろうとして、時速300キロで投球するモンスター級の機械を生み出してしまった、という投稿が注目を集めています。
5年前にピッチングマシンを作ったというマサロフ(@HK33A2)さんのツイート。当時の教授が野球部の顧問をしていたことから、卒業研究のテーマとして「安く作れるピッチングマシン」を提示され、作り上げたものだといいます。
実際に投球する動画も公開されていて、その迫力は野球ボールというより砲弾を思わせる勢い。動画では投球速度が少し落とされているそうですが、それでもかなりの勢いがうかがえます。
製作にあたっては、共和技研の「トップガン」というピッチングマシンをベンチマークにしていたとのこと。ちなみに共和技研の公式サイトには、安全性と実用性を考慮して170キロ以上は出ないようにしてはありますが「最高速度は300km/h以上も可能」と記載があります。市販のピッチングマシンも、安全面を考慮して発射速度をセーブしていたんですね。
ねとらぼ編集部では、教授から「やりすぎだ」と言われてしまったというマサロフさんに、ピッチングマシン製作当時のことを聞きました。
――ピッチングマシンを見た教授や周囲の反応はどうでしたか
マサロフさん: 教授からは「過剰スペックでやりすぎ」「速すぎてバッティング練習にすらならない」「ハイスピードカメラでボール発射時の撮影したい」、友人からは「発射音がうるさい」「アホじゃんw」と言われました。卒研発表を行った際に聞いていた教授陣も苦笑いしてました。
――安全面で気をつけたことがあれば教えてください
マサロフさん: 設計の面では、圧縮空気を使うため装置が壊れてしまわないようにタンクなどの耐圧に余裕を持って設計を行いました。装置の製作時間短縮と費用削減のため、研究室の先輩が作った別の装置から部品の流用をしたり、設計を簡略化したため、部品の耐久性に少し不安なところもあったのですが、時間の都合上消耗品と割り切りました。本当は作り直したかったです。
また、装置製作後に、球速を落として実用的な球速になるように砲身となるパイプを短縮したり、ボールの発射を中止して装置からボールを安全に取り出せる機構を追加したりしました。
ボールを使わない空撃ちによる装置の動作確認までは、研究室前の半屋外空間で実験していましたが、どうしても人通りがありました。ボールを撃つ際はグランドを借りて、射線上に人が入らない様に、防球ネットを立ててボールが飛んでいかない様に気をつけていました。
――実際にバッターを立てたテストなどはしましたか?
マサロフさん: 卒業研究は1人で行っており、設計のやり直しなどで装置の完成が遅くなったことや、データの収集や期末試験などに追われていたこと、安全面などを考えて、バッターを立ててのテストは行いませんでした。
苦労のかいもあって、このピッチングマシンのコストは市販員の10分の1に抑えられたとのこと。なお、後輩が別の研究にパーツを流用したため、既に解体されてしまったといいます。
Twitterではあまりの威力に「300km/hのナックルとか魔球にも程があるやろ…」「建前はピッチングマシンの武器」と驚く声がたくさん寄せられていました。
画像提供:Масарова(マサロフ)さん
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