「POISUTE SINAIDEYO」(ポイ捨てしないでよ)となぜかローマ字で書かれた啓発看板がTwitterで話題になっています。設置した苫小牧市役所に製作のいきさつやローマ字にした意図について聞いてみました。
「TOEIC100点の秀才なのでこの看板が何を意味するか瞬時に理解した」とユーモアたっぷりのコメントを添えて、謎の啓発看板の画像をTwitterに投稿したのはユーザーのくらこう(@Krakow1918)さん。看板には「POISUTE SINAIDEYO」のほか、「DOUSITE POISUTE SURUNOKANA」(どうしてポイ捨てするのかな)などローマ字で書かれたメッセージと、缶やボトルのポイ捨てに×印を付けたイラストが並んでいます。
この看板は北海道苫小牧市の苫小牧駅南口バスターミナルにあるものだそうです。ゴミのポイ捨てに警鐘を鳴らす不思議な看板の画像には1万件を超える「いいね」が寄せられ、リプライ欄には「俺も読めるわ……」「逆に効果ありそう。強い意思を感じる」といった声があふれました。
なぜあえてローマ字で書かれているのか? 設置した苫小牧市のゼロごみ推進課に聞いてみました。
――いつから掲出しているのですか?
ゼロごみ推進課 苫小牧市では平成10年(1998年)に「ぽい捨てによる空き缶等の散乱の防止に関する条例」を制定しました。ポイ捨てゴミのない街作りの一環として、2019年から市内の約300カ所に啓発看板を掲示しています。話題になっている看板は苫小牧駅南口バスターミナルなどにあります。何気なく目に触れる場所にあることで少しでも関心を持っていただきたいという意図があります。
――ローマ字を使っている意図を教えてください
ゼロごみ推進課 街中のポイ捨てゴミの問題も大事ですが、産業廃棄物などの不法投棄は全国的に大きな問題となっていると思います。大きなゴミの投棄のきっかけは空き缶や吸い殻などといった小さなゴミのポイ捨ての延長線上にあると考えています。そこで、やはり小さな子どものうちから啓発することが大事だと思いました。ありきたりな看板では意味がないだろうと思い、この看板はローマ字を習い始める小学生にも注目してもらう意図があります。子どもたちが最初に習うローマ字の訓令式であえて製作しました。
――誰がデザインしたのですか?
ゼロごみ推進課 どうすれば意識をもっていただけるかを議論し、課内で考案しました。注目してもらうためにもユーモアのセンスも大事にして14種類の看板を作りました。話題になっているローマ字看板の他にも映画の「男はつらいよ」シリーズにヒントを得た「ポイ捨てつらいよ」や、土下座する人物姿の「捨てないでください」などの面白い看板が多数あります。ゴミのないきれいな街作りを考えるとき、たとえ一人の捨てる人がいたとしても、100人の拾う意識があればあればいいと思います。この看板は小さな取り組みかもしれませんが、快適な住環境につながればという思いがあります。
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