寄付されたリードを破棄するよう指示、給与明細と離職票がもらえない―― 動物保護団体代表の疑惑を元スタッフが告発(後編)(1/3 ページ)
元スタッフと関係者に取材しました(後編)。
本記事前編では、齋藤代表のパワハラ疑惑に関する元スタッフたちの証言をまとめた。後編では、齋藤代表の運営実態についての証言を紹介する。
前編の記事はこちら
Aさんが退職後、ある日急に「施設を片付ける」と言い始めた齋藤代表は「愛玩動物委託飼養契約書や譲渡者の身分証明書のコピー、寄付されたリード、フード等を処分するように」と元スタッフたちに指示。愛玩動物委託飼養契約書や譲渡者の身分証明書コピーはシュレッダーにかけずそのまま処分するように、寄付されたリードやまだ使える雑貨類も「使わないから処分するように」と指示したという。
個人情報が含まれる愛玩動物委託飼養契約書や、譲渡者の身分証明書コピーは保管しておくべきでは、もし破棄する場合もシュレッダーにかける必要があるのでは、と困惑した元スタッフたちはその場で破棄するよう指示されたものを、証拠として撮影した。
「他の団体であれば使うだろうな、というリードを捨てるよう指示されました。寄付してくださる方は、『うちの子は死んでしまったから、よかったら使ってください』という方も多いんです。その方々の気持ちを考えると、『SPAじゃなくて他の団体に寄付されたらよかったのに』と思いました」(Bさん)
「フードは代表が気に入ったものを食べさせていたのもあって、スポンサーや寄付でいただいた余りが段ボール箱で複数ありました。フードのいくつかは他の団体や個人で保護活動をされている方に送るようにと言われたものもありますが、『いらないから捨てて』と言われたものもあります。でもどうせ他の人に送ったり処分するなら、寄付してくださいとお願いしてるAmazonの欲しいものリストに入れなければいいのに、と思いました」(Cさん)
SPAは公式Webサイトで「NPO法人SPAでは、皆様からのご寄付を幅広く受け付けております」「下記の『アマゾンほしい物リスト』からのご寄付も受け付けております」と掲げている。個人情報については、「個人情報保護方針」を明示。「方針4 個人情報の管理にあたっては、漏洩・滅失・毀損の防止及び是正、その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じるように努めます」としている。
BさんとCさんはこの破棄の指示を受けてしばらくして、ストレスとパワハラへの恐怖から退職を決意した。
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