「浴室からリビングにいる人を呼べるボタン」だと思って押したら、家族でなくて警備会社の人が来た――。「知らんボタン」をよく知らずに押したばかりに起きたハプニングがTwitterで話題です。
くだんの浴室には、「ON・OFF」とだけ書かれたボタンがありました。家主のyama.sh(@c_yamax)さんは入居以来ずっと、家族を呼ぶためのボタンなのだろうと思いつつ押さずにいたのですが、ある日ふと、妻を呼ぼうと初めて押してみたといいます。
ところがやって来たのは、yama.shさんの無事を確認すべく出動したALSOKのスタッフ。どうやら、入浴中に倒れでもしたときに助けが呼べるよう、通報用のシステムがマンションに備えられていたようです。
Twitterでは「トラップすぎる」と笑いを呼ぶ一方、「デザインがシンプルで緊急用ボタンとは分からない」「ボタンにALSOKのロゴなどがあればそうと分かる」「不動産屋が説明すべきでは」など苦言もみられるこの一件。「背中や尻で誤って押してしまった」「インターフォンと押し間違えて通報した」といった類例も寄せられています。
編集部がALSOKに問い合わせたところ、同社には非常用のボタンを押すとガードマンが駆けつけるサービスはあるが、yama.shさん宅のボタンについては「ALSOK製の機器ではない」と回答がありました。ゆえに緊急用と認識しにくいデザインについては、「弊社では分かりかねる」としています。
では、あのボタンは何なのか? 可能性としては、「マンションのセキュリティ設備の1つとしてこのボタンが設置されており、押すとマンションの管理室などに設置されている設備盤を通じて信号が通報され、ALSOKのガードマンが駆けつけるシステム」が考えられると、ALSOKの広報担当者は語りました。
つまりこのケースでは、マンション側がセキュリティシステムにアクセスする端末として、汎用的なボタンを各戸に設置したものと推測されます。何にせよ、意図せずして警備員を呼んでしまうのもばつが悪いですが、もしも「呼べると知らなかったばかりに、助かるはずのものが助からない」となったら悔やむに悔やみ切れないでしょうから、「知らないボタン」の意味は入居前から管理会社などに確認しておきたいところです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.