最近ではAI技術が一般的にも浸透して、たくさんの人が利用しAIに学習させています。このままAIが進化しきった未来の可能性を猫と人間で解説した創作漫画が、奇妙で意味深です。
「雑食」「おとなしい」「群れを作る」――ある本で家畜に向いている生物の条件を読んだ結果、それは人間ではないかと気付いた飼い主。彼女に抱っこされた猫は、密かに思うのでした。「そうなのだ、人間よ。貴様たち人類は20万年前に我々猫類によって創造された家畜生物なのだ……」
20万年前に文明の頂点に立っていた猫族。彼らは城を持ち、空飛ぶ乗り物さえ作り出すほど栄えていました。思うままに生物を生み出すことができるようになった彼らは、奴隷とするべく「人間」を生み出したのです。
膝の上に乗ることで椅子として利用したり、インフラとして食べ物を運ばせたりして人間を利用した猫たちは、やがて人間に依存していきました。学習や発見の意欲が薄れて怠惰となり、あの頃の文化はすっかり失われました。そして現在は文明の黄昏(たそがれ)時にいるそうです。
主人であった猫のことを忘れて万物の霊長であるかのように振る舞う人間に、猫は警告します。「道具の便利さにかまけ、自らを高める努力を怠るな。成長への意欲を失えば後に残るのは長い倦怠と衰退の日々だ」と。飼い主たちが「人間が猫かわいいって思うのって、もう本能だよ〜」と言うのは、かつての奴隷だったころの記憶なのでしょうか。
猫を愛する人が「飼い主とは下僕」と言ったりしますが、実は遺伝子に組み込まれた記憶の片鱗だった……というのは、あくまでフィクションです。とはいえ、衰退への警告は真実味があり、漫画の猫ちゃんが言うように便利な道具に頼って学習や思考を止めない方が良いかもしれません。
漫画には「ネコちゃんが創造主としたら、確かに全ての謎が解ける気がする!」「薄々そうだとおもってました。猫は旧支配者」「猫に仕える喜びを感じる個体は本能が色濃く残ってるのね」など、猫によって生み出された可能性の高い人類からコメントが寄せられています。
作者は漫画家の小島アジコ(@ajico_k)さん。投稿された作品は同人誌「ここは悪いインターネットですね」第3巻に収録、Kindle Unlimited対象です。
作品提供:小島アジコ(@ajico_k)さん
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