勉強机の上でサメの頭骨を標本化するという、大学生のツイートが衝撃的だとして、約3万2000件のいいねを集めるほどの反響を呼んでいます。ねとらぼ編集部では、標本の作成時間や標本作りの難しさについて詳しく聞きました。
サメの標本を自作したという大学生のHiroki(@Hirokicreature)さん。自力で標本を作成するというのも驚きですが、作業場所はなんと“勉強机の上”だといいます。魚類の図鑑や研究書などが置かれてはいるものの、2匹分のサメの頭部が置かれているのはやはり異様な雰囲気です。
Hirokiさんは参考として過去に作った完成品も公開。きれいに骨だけが残った見事な仕上がりです。口が開き、鋭い刃がむき出しになっている様子から、サメの恐ろしさも感じられます。
なお、サメの頭部は漁師さんから購入したとのこと。標本にするためにサメを捕獲したわけではなく、「標本にしているサメの頭は本来利用価値がなく捨てられてしまっているもの」を使用したと説明しています。
Twitterでは「すごい学びが得られそう」と研究に感心する声や、「机の中異次元に繋がってて頭だしてる感ある」と場所と置いてあるものの異様さに驚く声が。また、制作過程などに対する質問も多く寄せられています。
ねとらぼ編集部では、標本を作るのにかかる時間や、これまでにいくつくらいの標本を作ってきたのかなど、Hirokiさんに聞きました。
――標本の作成にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか
Hirokiさん: 標本の作成時間はサンプルの大きさに左右されます。小さい個体であれば1週間、大きな個体であれば1カ月ほどかかります。また、シュモクザメのように複雑な構造をしたサメは通常のサメよりも作成時間がかかります。
――これまでいくつくらい標本を作成しましたか?
Hirokiさん: 今まで15個ほどのサメの骨格標本を作成してきました。初めてサメの骨格標本を作ったのは高校1年の冬です。
――標本作りで苦労する部分はどこですか?
Hirokiさん: サメの骨格は、軟骨という水分が多く含まれている骨で構成されているため乾燥させると骨が収縮してしまい、原型を保ったまま標本にすることが非常に難しいという特徴があります。
そのため、いままでたくさんの失敗を繰り返し、試行錯誤を続けてきました。最近は比較的きれいに作れるようになってきましたが、まだまだ失敗することも多く、解決するべき課題が山積みなのが現状です。
また、今回の投稿でさまざまな方から反応をいただき、あらためて「命をいただくとはどういうことか?」「生き物を標本にすることは果たして是なのか?」など、いろいろと考えさせられました。
Hirokiさんは、この他に「臭くならないの?」「なんで机でやるの?」などツイートに寄せられたさまざまな疑問にも回答しています。
画像提供:Hiroki(@Hirokicreature)さん
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