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嵐の二宮和也さんら投稿で物議の“黒人男性のサプライズ動画” 専門家らが指摘する「ステレオタイプ」の課題(2/3 ページ)

ジャニーズ事務所などに取材しました。

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運営元による見解「人権問題は一切ない」

 一方で、ジャにのちゃんねるが依頼したサービスを提供するMIYABI INTERNATIONALは、BBCに問題が報じられたサービスとの関係性を公式サイトで否定。「SDGs(持続可能な開発目標)」を理念に掲げ、収益の一部をアフリカの貧困に喘ぐ人々に直接寄付すると説明しています。

ジャニーズ事務所 嵐 二宮和也 二宮和也 画像はMIYABI INTERNATIONALの公式サイトより
ジャニーズ事務所 嵐 二宮和也 二宮和也 画像はMIYABI INTERNATIONALの公式サイトより
ジャニーズ事務所 嵐 二宮和也 二宮和也 画像はMIYABI INTERNATIONALの公式サイトより

 同社はジャにのちゃんねるでの動画が問題視されていることを受け、公式Twitterで「ジャにのちゃんねるやそのメンバー、延いてはジャニーズ事務所さんたちを批判するのは、著しく筋違いです。彼らは決してアフリカ系の方達を『笑い物にしている』のではありません」と意見を表明。

 続けて、「ジャにのの皆さんは純粋な気持ちで、『一見して縁もゆかりも無いと分かるアフリカ系の方々から、自分たちの名前を呼ばれ、陽気なダンスでお祝いされる』というところが『面白い』と感じていらっしゃるのではないでしょうか」との見解を示しています。

 また、「私共のホームページ上でもご案内しておりますが、私たちのサービスは『世界中の人々に笑顔をお届けしたい』をコンセプトに運営されており、搾取や出演強要などの人権問題は一切ございません」などと説明しました。

 

 

 一方で、同サービスには子どもが出演するプランや、「セクシー美女」をうたう女性が出演するプランも確認されています。ねとらぼ編集部ではMIYABI INTERNATIONALに、人種差別や児童搾取、性的搾取などの人権侵害があるのではないかなどの指摘について見解を問い合わせたところ、以下の回答が得られました。

【人権侵害との指摘についての見解】
 「そのようなご意見がある事は承知しておりますが、弊社といたしましては各撮影チームに正当な撮影料金を支払っており、また『出演者は現地一般ワーカーに比べると高い収入を得ていること』『出演者に対して出演の強要などは一切ないこと』を各撮影チームに確認しておりますので、人権侵害などというご批判は当たりません。
 『日本語を理解していない彼らに片言の日本語をしゃべらせて面白がることが問題だ』とのご意見もよく目にしますが、彼らにしゃべっていただくメッセージ内容につきましては、弊社の審査によって問題ないと判断したもののみ撮影チームに発注しております。また片言の日本語がNGだとすると、ほとんどの外国人はテレビや動画などに日本語での出演ができないのではないでしょうか。
 出演者の彼らは、自分たちの片言の日本語が、一般的な日本の視聴者に『面白い』や『可愛い』などと受け止められることを承知の上で、またそのことによって視聴者を笑顔にする目的で、『片言の日本語メッセージ』を含めたパフォーマンスを行っております。そんな彼らのパフォーマンスを、もし蔑みの目で見られる方がいらっしゃるとすれば、それは受け手側の問題であると考えます」

【児童搾取との指摘についての見解】
 「子どもを扱う撮影チームには、『本人や親御さんから子役としての出演了承を得ていること』、また『学業の妨げにならないように配慮し撮影していること』を確認しておりますので、弊社としては問題ないと認識しております」

【性搾取的との指摘についての見解】
 「そのようなご意見は初めてお伺いしました。各撮影チームの名称は撮影チーム主体で考案されております。『セクシー美女』のチーム名につきましても、該当撮影チームが『自分たちの特徴を端的に表現する名称』として考案したものであり、弊社といたしましては決して性的搾取とは考えておりません。しかし、もし弊社のこの認識に誤りがある場合は、該当の撮影チームと協議の上で改めなければならない類のものであると存じます」

【報酬についての見解】
 「このご質問については出演者のギャランティの推測につながるため、具体的な数字はお答えできません。一般的に、テレビや映画の出演者のギャランティが公表されていないことと同等とお考え下さい。ただし、先に申し上げました通り、現地一般ワーカーに比べると彼らは高い収入を得ている、ということだけはお伝えしておきます」

類似サービス提供団体による見解

 なお、MIYABI INTERNATIONALのほかにも、類似サービスである「一般社団法人WORLD SMILE」がジャにのちゃんねるからの依頼ではなく、自主的に同チェンネルの2周年を記念する動画をTwitterで公開していました。ねとらぼ編集部がWORLD SMILEに対しても同様の質問をしたところ、以下のような回答がありました。

【人権侵害との指摘についての見解】
 「政治、国際情勢、悪口をはじめとしたセンシティブの強い刺激的なワードは全面的に禁止にしております。また、大前提として現地の方々への最大限の敬意ある内容を基軸に受け付けており、問題点としては他国で日本向けに提供している団体が存在し、そちらを経由しても同じような動画を作成することが可能なため、他国経由で作成された動画の中にはコンプライアンス無視されているものもあり、弊社のものと誤認されてしまうケースがございます。
 BBCで映されていたような『Susu』なる、団体業者と弊社は一切関係のない別団体になります。一部、引用されていた動画に弊社のサービスと思われるものも紛れて紹介されていて、誤認がある恐れから、その点については国際弁護士を通してBBCへ抗議していく所存です。また、これまで弊社とSusuとでは取り引きなどしたこともございません。業界としても、Susuなる団体へは強く非難して、断じて許容してはならないという姿勢で対応していきます」

【報酬についての見解】
 「多くの動画に出演してくださっているのは、各国のマッチョ集団は傭兵の方々です。傭兵とは金銭で雇われた兵隊さんのことで、直接的な利害関係のない戦争に参加しないと、生活できないような人たちがこの世界にはいます(※現在では種類が増えたことにより、傭兵出身ではない民族の方々も含む)。
 動画出演が本業となる方が増えることにより、戦争に参加せざるを得ない方々の笑顔を増やすのが、WORLD SMILEの使命とさせていただいており、そして、『寄付をする』だけが良いこととも限りません。寄付頼りの生活が続いてしまうことで、経済的自立を失うというリスクも高まります。
 私たちWORLD SMILEの目標の一つとして、貧困地域における雇用創出を多く生み出して、1人でも多くの経済的自立を確保することで、寄付頼りの生活から自立させてあげることです。この活動とサービスが普及していくことで、彼らの雇用創出につながっています。そのためお金だけではなく現地の方々へお品物として食料や生活に必要な物資などを届けさせていただいております。
 また、多数のチームがあり出演回数や入れ替わり状況によって、撮影が困難となってしまったりするので、明確にお答えすることができません。大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます」

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