「Google マップの低評価を削除します」営業断ったら低評価が大量に Googleは「詐欺集団に報酬払わないで」と呼びかけ(1/2 ページ)
投稿者に被害の詳細を聞きました。
Google マップのクチコミで低評価を付けられた後、クチコミの評価を改変できるという営業電話がかかってきて断ったら、低評価のクチコミが大量に投稿された――。青森にある飲食店による被害報告が、SNS上で波紋を広げています。ねとらぼ編集部では投稿者とGoogleに取材しました。
投稿者でローカルチェンジ代表取締役の櫻庭里穂(@shiibasusuzuki)さんによると、ことの発端は数週間前、夫が経営する飲食店がGoogle マップのレビューで評価「1」を海外から付けられたことだったといいます。
その後、クチコミを消したり、高評価にできたりするサービスを提供しているという会社から毎日のように営業電話がかかってきて、その申し出を断ったところ、5月21日の夕方には「1」の評価が1時間で40件以上も付けられたというのです。
低評価のレビューが付けられた後に営業電話が繰り返しかかってきたこと、また断った後に低評価のレビューが集中したことから、今回の被害はマッチポンプ(自作自演)式の詐欺が疑われます(アークレスト法律事務所「悪質なGoogleマイビジネスの口コミ削除業者に注意!見分け方や対処法を解説」)。
櫻庭さんによると、以前は店舗の評価は全体で「4」以上だったものの、低評価が付けられ続けた結果、一時期評価は「2.6」にまで急落したとのこと。櫻庭さん夫婦は該当レビューを不適切なクチコミとしてGoogleに報告(参考:Google ヘルプ「不適切なレビューを報告する」)しましたが、2人の報告だけでは口コミは消されず、その後も低評価のレビューは投稿され続けた、と主張しています。
マッチポンプ式の被害には前例あり
このような被害には前例があり、2021年4月に歯科医院がGoogle マップのクチコミに身に覚えのない低評価のクチコミが投稿された時期に、業者から「悪いクチコミを削除します」という電話がかかってきた、とGoogleのヘルプセンターに投稿。1度目の電話を断ったら、数日後に業者から再度電話があり、今すぐにクチコミを見るように言われて確認したところ、低評価のクチコミがまた投稿されていた、と訴えていました。
さらに、海外ではGoogleのコミュニティー・マネージャーが2022年7月、企業をターゲットにギフトカードでお金を送らないと、Google マップに評価「1」のレビューを付けると脅す被害が発生していると報告。レビューの削除や報告のほか、ヘルプセンターを通じてGoogle サポートに連絡するといった対応を呼びかけ、「詐欺師にお金を払わないでください」と注意喚起していました。
櫻庭さんは夫がとても傷付き、深く悩んでしまっていたと振り返り、「まさか青森の小さなお店が狙われるとは思っていなかった」と率直な感想を語っています。なお、悪質なクチコミの削除についてTwitterで協力を呼びかけた結果、すでにクチコミは約3分の1が削除されたものの、現在でもその多くは残っているということです。
Google広報「詐欺集団に報酬払わないで」と呼びかけ
ねとらぼ編集部がGoogleに今回の騒動について問い合わせたところ、広報担当者は「この問題は現在修正されています」として、「Google マップのチームは、不正なクチコミを行うユーザーや詐欺集団による攻撃を阻止し、不正なクチコミを削除したり、影響を受けている事業主がいる場合は企業プロフィールを保護するため、24時間体制で取り組んでいます」とコメント。
「私たちのポリシーでは、クチコミは実際の体験に基づくものでなければならないと明記しており、人間のオペレーターとテクノロジーの組み合わせで、不正なコンテンツがないか24時間365日注意深く監視しています。ポリシーに違反していると思われるクチコミを見つけた場合は、Googleチームに報告してください。事業主がプロフィールに関するクチコミを報告する場合はこちら、ユーザーが報告する場合はこちらから報告いただけます。マップ上の情報を正確で信頼できるものに保つためにユーザーや事業主から報告いただく情報を役立てています」(広報担当者)
「事業者などが詐欺集団などに狙われた場合、報酬を支払わないようお願いしています。その代わり、クチコミをこちらから報告するか、ヘルプセンターを通じてGoogle サポートに連絡してください。Googleのチームがポリシー違反と思われるコンテンツを レビューし、削除します。ビジネスプロフィールの登録がまだの場合は、こちらで登録することができます」
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