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亡くなった父の、それまで知らなかった表情を見つける漫画「あいまいでよく見えない。」が読者の心を揺さぶっています。作者は『しょうもないのうりょく』などを手掛ける漫画家の高野雀(tknszm)さん。
父を亡くしたばかりの雄大。しかし友人には「推しの熱愛発覚の方がショックだった」「最近ずっと病気してたし驚きない」と平静な様子を見せます。父は何事にも無関心で趣味もなく、遺品を整理していても、思い出すのは家族の行事に仕方なく参加していた様子。結局何が楽しかったのかとずっと考えてしまう、と雄大は友人に語ります。
遺品整理で出てきた、父の古い携帯。雄大は母から頼まれたと、データの取り出しを友人に依頼します。携帯から出てきたのは、たくさんの解像度の低い写真と動画。動画を再生すると、写っていたのは若いころの父の笑顔、それも愛情あふれる表情の。母に向けた顔だと思っていた雄大ですが、動画の父はカメラに向かって「雄大」と――。
子どものころの自分に向けられていた父の優しい笑顔。そこに愛情は、「何が楽しかったのか」の答えは確かにあったこと、それを知ったときにはもう父はいないこと……短いながらも胸に迫る物語に、読者からは「泣けて泣けて…胸が苦しい」「何気なく見て涙」などの声が寄せられています。
この作品は高野さんが2月に発行した同人誌に収録。BOOTHで購入できるほか、ブログでも公開されています。
作品提供:高野雀(tknszm)さん
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