Twitter閲覧制限でクリエイターに懸念広がる 「動向によっては死活問題」も…… 人気漫画家が「軸足を移すつもりはない」と語る理由(1/2 ページ)
これからどうなるんだろう。
Twitterで発生している閲覧制限により、Twitterを中心に活動してきたクリエイターからは懸念の声などが広がっています。ねとらぼ編集部は、Twitterで活動する人気漫画家に、今回の事態についての受け止めを聞きました。
Twitterでは日本時間7月1日夜から、API呼び出しの回数制限を超えたというメッセージが表示され、ツイートが表示されない症状が発生。オーナーのイーロン・マスク氏は2日、極端なレベルのデータスクレイピング(自動収集)とシステム操作に対処するため、一時的に制限を設けると発表していました。
当初は「認証済みアカウントが1日6000投稿、未認証アカウントは1日600投稿、新しい非認証アカウントは1日300投稿」を上限とする閲覧制限が行われたものの、その後はそれぞれ1万投稿、1000投稿、500投稿になっています。
「予告なし」で行われた突然の閲覧制限を受け、Twitter上では2日朝に「Twitter改悪」「Twitterオワコン」といったワードがトレンド入りしました。「他のSNS」「mixi」「misskey」など移行先を検討しているとみられる単語も並び、5日時点ではFacebookやInstagramを運営する米メタ社のSNS「Threads」の解禁に注目が注がれています。
Twitterのリンダ・ヤッカリーノCEOは5日、「プラットフォームを強化し続けるために大きな行動を起こす必要がある」と、今回の規制について弁明しました。そうした中、現状に懸念の声が広がっているのは、Twitterで活動をしてきたクリエイターです。
「Twitterショック」人気漫画家の受け止めは
Twitterではイラストや漫画などの創作物が日々投稿され、小物などの製作物を販売する人にとっても、情報を発信する場になっています。閲覧制限を受け、Twitter上のクリエイターの間では「pixiv」や「mastodon」のアカウントを新設したという報告がみられました。このまま規制が続いた場合は、Twitter上での活動を限定したいとするクリエイターの声もありました。
フォロワー数25万人を超える漫画家の根田啓史さん(@dorori_k)は、2018年ごろからTwitterで漫画作品を投稿してきました。根田さんは4日の取材に「フリーランスで活動している作家さんたちにとってTwitterはとても大事な発信手段であり、動向によっては死活問題になり得ます。今回の騒動で不安を感じている人も多いのではないでしょうか」と伝え、自身もマスク氏が運営に携わって以降のTwitterの動きには「ことあるごとにハラハラしている」「心配は尽きない」と思いを吐露しました。
しかし、根田さんは、今の規制は「自分の活動に重大な制限をかけるものではない」と受け止め、「現段階ではTwitterから軸足を移すつもりはない」考えだといいます。また、Twitterは他の代替SNSとは比較にならないほどのユーザー数を持っているとして、「発信手段はTwitterが現状一番優位なことに変わりない」との認識を示しました。過去にはユーザー数が多い他のプラットフォームでの活動も検討してきたものの、「毎回『やっぱ普通に漫画描くならTwitterが一番発信力あるし親和性高いわ…』という結論に至った」といいます。
根田さんは「一個の場所に軸足かけすぎるのは怖い」としつつも、今後もTwitterで通常通りの活動を行っていきたいとしました。
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