いよいよ台風シーズン到来。台風情報には多くの情報が含まれている分、間違えた解釈をされている方も多いようです。ぜひ、この時期に正しい見方を抑えておきましょう。台風シーズンには、どんなことを備えるべきかまとめました。
台風の発生や接近、上陸について
今年もいよいよ台風シーズンの到来です。
過去30年間(1991〜2020年)の平均では、1年間で約25個の台風が発生し、約12個の台風が日本から300km以内に接近し、約3個が日本に上陸しています。
台風の発生数はグラフの通り、8月が5.7個と最も多いですが、次いで9月が多く5.0個。
接近数は8月と9月は同じで3.3個、上陸は8月が0.9個、9月は1.0個と最も多くなります。
また、10月は台風の接近数は1.7個、上陸数は0.3個ですが、稀に大きな被害をもたらす台風が上陸することがあります。
関東を含む東日本や東北に大きな被害をもたらした「令和元年東日本台風」(台風第19号)は10月12日に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸し、その後、関東地方を通過しました。
今からちょうど3か月間(8月・9月・10月)は特に台風の影響を受けやすく災害の起こりやすい時期といえます。10月に入っても油断せずに、台風に気を付けて対策を行ってください。
台風情報の見方(1) 予報円が大きいほど進路が不確実なことを示す
台風が発生した際に、よく見る台風進路図ですが、たくさんの情報が盛り込まれている分、間違えた解釈をされている方も少なくないようです。
特に、台風の「予報円」(白い破線の円)についてですが、これは、大きいほど大きい台風を示しているわけではありません。
台風の予報円は、台風の中心が入る確率が70%であることを示しています。このため、予報円が大きいほど台風がどこに進むか分からず、進路が不確実であることを示しています。どこに影響が及ぶか定まるまでは情報に注意し、影響があると分かった時点で、できるだけ早めに対策を行う必要があるでしょう。
ちなみに、「強風域」(黄色の円内)は、平均風速が15m/s以上の強風が吹いている、「暴風域」(赤色の円内)は、平均風速が25m/s以上の暴風が吹いている、または地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲をそれぞれ示しています。
また、「暴風警戒域」は、赤線内の領域で、今後、風速25m/s以上の暴風域に入る恐れのある範囲を示しています。
台風情報の見方(2) 強さも大きさも「風速」から階級が決まる
台風の強さと大きさは、どちらも「風速」をもとに階級を決めています。
台風の強さは、最大風速をもとに区分していて、最大風速が33m/s以上44m/s未満が「強い」、44m/s以上55m/s未満が「非常に強い」、54m/s以上が「猛烈な」としています。
台風の大きさは強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 500km以上800km未満が「大型」、800km以上を「超大型」としています。
台風情報の中では、「大型」で「非常に強い」台風〇号が北上中です。などと表現されます。台風が発生している際には、大きさや強さなど、どんな特徴がある台風なのか、最新の情報を確認して、ぜひ情報収集をするようにしてください。
台風シーズン 備えて被害を未然に防ぐ
毎年のように台風によって、多くの甚大な被害が発生しています。こういった被害は早めに情報を収集して対策を行うことで、未然に防ぐことや、被害を軽減することが可能です。安全なうちに、今できる備えを確認しておきましょう。
家の外の備えとして、側溝や排水口はこまめに掃除をして、大雨が降っても水はけを良くしておきましょう。風で飛ばされやすい物は、飛ぶと事故や色々なものの破損につながるため、飛ばないよう固定するなど、工夫を行ってください。窓や雨戸など、壊れている際には補強をしておくと良いでしょう。
家の中での備えとして、非常用品が十分かどうか確認を行ってください。飲料水や食料品、マスクや赤ちゃん用のミルク、常備薬など、日々の生活に欠かせないものは、普段から多めに準備しておく必要があるでしょう。
また、家族で避難場所がどこかを把握して、家から避難場所までの安全なルートを知っておきましょう。停電になった場合の連絡方法なども共有しておくと、いざという緊急事態にスムーズに家族間で連絡を取り合うことができるなど、役立つはずです。
実際に、天気が荒れてきてからでは間に合わないこともあります。安全なうちに、今できる備えを行っておきましょう。
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