YouTubeチャンネル「にこねこ【保護猫の保育園】 」に、生まれた直後にビニール袋に入れて捨てられていた子猫を保護した様子が投稿されました。動画は記事執筆時点で54万回以上再生され、1万件をこえる高評価とたくさんの感謝の声が寄せられています。
投稿主である「にこねこ保育園」のママさんとパパさんは、福岡県にてボランティア団体と連携を取りながら日々保護猫活動に取り組んでいます。現在にこねこ保育園には乳飲み子が6匹、保護猫が23匹在籍しているのだとか(関連記事)。
9月11日、そんなにこママさんの元に母親から電話がかかってきました。電話の内容は「お隣さんの職場の近くで子猫が捨てられており、乳飲み子を育てた経験がある人を探している」というもの。保護した方に病院に連れて行ってもらったところ、子猫は生後1日の乳飲み子で体重は78グラムしかありませんでした。
お隣さんは放課後デイサービスを経営しているそうで、仕事をしながら乳飲み子を育てる自信がなく困っていたとのこと。そこで子猫を引き取りに行ったところ、“子猫はビニール袋に入れた状態で畑に捨てられていた”という衝撃的な事実を知り、にこママさんは言葉を失ってしまったのでした。
お隣さんによると朝出勤したスタッフが鳴き声に気付き、みんなで探してようやく子猫を見つけたのだそうです。状況的に恐らく飼い猫が産んだ子猫を捨てたものと思われますが、ビニール袋の特性上、発見が少しでも遅れていたら子猫は熱中症か窒息で命を落としていたことでしょう。命をごみと同じように扱う人がいるという現実に、なんともやるせない気持ちになってしまいます。
子猫は恐らく初乳も飲めていないため免疫力が低く、容体が急変する可能性が高い危険な状況です。しかし力強くミルクを飲む姿から「生きたい」という強い意思を感じとったにこママさんは子猫の命を救うべく、1時間おきにミルクを飲ませます。
迎えた2日目、徹夜の授乳のおかげで体重が3グラム増加しました。そして翌日にはおなかが減ると鳴いて呼ぶようになった子猫は、「ピノ」ちゃんというすてきな名前を付けてもらったのでした。
生後5日目にはたくさんミルクを飲むようになり、無事に生後1週間を迎えたピノちゃんの体重は121グラムに増加しました。ほ乳の容器はシリンジからほ乳瓶へと変わってミルクの間隔は3時間おき(1日に8〜9回)となり、ようやく少しだけにこママさんの負担が軽くなったのでした。
生後8日目にはまだ目は開いていないものの、呼ぶとブランケットから顔を見せてくれるようになりました。愛情をたっぷり注ぐママさんとパパさんを見ていると、人間に捨てられてしまったけれど、ピノちゃんはきっと人間大好きな猫に育ってくれるだろうという希望が持てますね。
生後11日目にはわずかに目が開くようになり、12日目にはぱっちりとしたかわいいおめめを見せてくれました。ママさんの手をチュッチュと吸い、ふみふみしながら甘える姿はただひたすらにかわいいです。
生後15日目には体重が241グラムに爆増。少々便秘気味のため17日目にはおなかの調子や口の中などを動物病院で診てもらい、様子を見ることになったのでした。
生後20日目にはうんちをしながらミルクを探すという、元気すぎる姿を見せてくれたピノちゃん。体重が287グラムとなり、挑戦したはじめての部屋散歩ではぷるぷると震えながらも一歩一歩確実に進んでいく姿を見せてくれました。その歩みからは、ピノちゃんの力強い生命力と生きたいという思いの強さを感じます。
保護してから3週間、生後21日にはミルクを飲みたすぎて立ち上がるという、なんともパワフルな姿を見せてくれたピノちゃんなのでした。
ピノちゃんの猫生は心無い人に捨てられるという悲しいスタートを切り、母親のお乳の味も、ぬくもりさえも知ることができませんでした。しかしママさんとパパさん、そして夫妻を支えるたくさんの人々の愛情をたっぷりと受けたピノちゃんのこれからの時間は、きっと愛情にあふれた幸せであたたかいものになっていくことでしょう。
投稿主さんはYouTubeチャンネル「にこねこ【保護猫の保育園】」とTwitter(@niconeko2575)に、日頃取り組んでいる保護活動や猫たちの様子を投稿しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「にこねこ【保護猫の保育園】」
(三日月 影狼)
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