YouTubeチャンネル「鷹切美鶴.たかぎりみつる」に、カマキリに寄生し操るヤバくて面白い寄生虫の姿が投稿されました。記事執筆時点で、動画は1万7000回以上再生され、その奇妙な姿と生態に注目が集まっています。
投稿主である鷹切美鶴さんは、日本の昆虫や爬虫類などの採集、飼育を行う生き物系YouTuber。以前には本気でセミとりをしたら何種類取れるかチャレンジした様子が話題になりました(関連記事)。
鷹切さんはこの日仲間を引き連れ、外来種のカマキリである「ムネアカハラビロカマキリ」の採取に出掛けていました。ムネアカハラビロカマキリは樹上性のカマキリで、木や低木を探すと見つかりやすいのだとか。
本日のターゲットはムネアカハラビロカマキリ……ですが、真の狙いは「ハリガネムシ」。ハリガネムシはカマキリなどの昆虫に寄生する針金のような見た目が特徴的な寄生虫で、ムネアカハラビロカマキリやハラビロカマキリ、ヒメカマキリは寄生されている可能性が高いのだそうです。
鷹切さんたちは次々とムネアカハラビロカマキリを発見し、捕獲していきます。ムネアカハラビロカマキリはその名の通り胸が広く赤色であることから、国産のハラビロカマキリと見分けるのは容易なのだといいます。
そして帰宅後、真の目的であるカマキリのハリガネムシ検査を実施することに。ハリガネムシは水を感知するとカマキリのおしりから出てくるため、水につけるだけでハリガネムシに寄生されているかどうかチェックできるそうです。
次から次へと検査をしていきますが、今回捕獲してきた4匹のムネアカハラビロカマキリはハリガネムシに寄生されていませんでした。しかし念のためにと別日に捕獲した国産のハラビロカマキリを検査してみたところ、水につけて数秒でハリガネムシが出てきたではありませんか……!! 出てきたハリガネムシの太さと長さを見ると、このカマキリのおなかのどこに入っていたのかと驚いてしまいますね。
ハリガネムシに寄生されたカマキリは行動を操られ、水辺に誘導されて自ら水の中に飛び込んでしまいます。そして水を感知したハリガネムシは外に出て、水の中で暮らしつつ繁殖相手を探しに行くのだとか。
ハリガネムシは本来、水の中で生活する水生生物ですが、カマキリなどの陸上で暮らす一部の昆虫を宿主として成長します。水の中にいるハリガネムシの幼生をカゲロウやユスリカなどの水生昆虫が取り込み、陸に飛び立ったそれらの水生昆虫を食べたカマキリが寄生され、水の中に戻ったハリガネムシが繁殖する……というなんとも面白い生態系が成り立っているのだそうです。
なおハリガネムシに寄生されたカマキリは長く生きられないといわれていますが、川の魚にとってはよい食料になるようです。なんとも不思議な生態を持つハリガネムシは、水辺を中心とした生態系に大きな影響を与えているのですね。
鷹切さんはYouTubeチャンネル「鷹切美鶴.たかぎりみつる」とX(旧Twitter)(@ Mitsuru_MH)、Instagram(@ takagirimitsuru777)とTikTok(@takagiri_mitsuru)に昆虫や爬虫類に関する写真や動画を投稿しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「鷹切美鶴.たかぎりみつる」
(三日月 影狼)
オススメ記事
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
夏休みの自由研究になりそう。 - 脱皮に失敗したセミを助けたら…… “ありえない姿に大変身”した姿に感嘆の声「驚きました」「貴重な映像」
セミを誘導する特技がすごすぎた……(※虫が苦手な人は閲覧注意です)。 - 最大2キロ超の“高級カニ”が千葉で大発生!? 浜名湖の名産を都会のドブで「開始1分」採取、食す様子に反響
まじか。(修正あり) - 拾ったフグを海に帰した結果…… なぜか笑いを誘うシュールな光景に「人の顔みたい」「タプタプすぎて潜れてないw」
膨らんだ姿が「大きな魚の顔面に見える」と驚く声も。 - 「ヤフオク!」でメダカの卵を買って育てたら…… 闇を感じる展開と注意喚起に「詐欺だったとしてもこの子たちに罪はない」
孵化したメダカは大切に飼育されています。