ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

初恋を諦めかけたとき“人間の心を食う化け物”が現れた 予想外なストーリーを繰り広げるちょっとホラーな恋愛マンガ『心食らわば』(1/2 ページ)

消えてくれない“恋心を食べる化け物”とは……。

PC用表示 関連情報
advertisement

 ちょっぴりホラーな恋愛マンガ『心食らわば』がX(旧Twitter)で話題になり、1.1万いいねを獲得しています。“恋心を食べる化け物”とは一体……?

 『心食らわば』は、かげやま六美さん(@kgym623)による作品。2021年からLINEマンガでトライアル連載され、終了後も制作が続いています(現在はLINEマンガ インディーズにて連載。最新第2巻がboothで販売)。

 物語の主人公は、17歳の女子高生・湊本日和(みなもとひより)。彼女は10年前、妹のようにかわいがってくれる近所のお兄ちゃん・志波晴男(しばはるお)にひそかな恋心を寄せていたのですが、彼が中学校から寮で暮らすことになったため、自分の思いを伝えることができないまま、離れ離れになってしまいました。

 恋心を忘れかけていたある日のこと、晴男は、日和が通う高校の教育実習生としてやってきて、10年ぶりの再会を果たします。日和は忘れかけていた恋心がよみがえる一方、晴男が同年代の女性と親しくしているのを見て「そりゃ彼女もできるよね 私は妹扱いだし」と思って心が苦しくなってしまいます。

 「これでまた この想いは伝えられないんだ」と諦めかけたとき、日和の前に姿を現したのは“恋心を食べる化け物”でした。

 人間には心が傷つくと、その気持ちを捨ててしまう習性が。この化け物はそうして排出された心を食べており、特にあまくておいしい恋心が大好物。食べられてしまった人間は、自分の気持ちを忘れてしまうのだとか。

 日和は、自分が捨てかけていた晴男への恋心を飲み込もうとする化け物を「せっかく思い出せた初恋なの……まだ追いかけさせてよ……」と拒絶。その後、晴男と親しくしていた女性がただの友人で、むしろ日和の恋を応援してくれる存在だと分かって一安心しますが、“恋心を食べる化け物”の姿は消えず……。

 「ただのほんわかモノかと思ったら怪異が出てきたぞ」「二転三転する展開に翻弄されてしまった」と反響が寄せられる本作について、作者・かげやま六美さんにお話を伺いました。

――― “恋心を食べる化け物”の存在が際立つ本作。この設定を思い付いたきっかけなどはありますか?

 もともとはハートに顔を描いただけの落書きだったのですが、ある日「告白しなかった恋は、どこへいくんだろう。」というバレンタイン広告のキャッチコピーを見て、「このハートの落書きが、そういう伝えられなかった想いを食べちゃうやつだったら面白いかもしれない」と思い、そこから設定を付け足していきました。

――― 本作の制作で特に力を入れたところ、苦労したところは?

 本当は心を食べる奴らの生態を暴くだけのお話になる予定だったのですが、恋愛モノとしては主人公の恋愛を追うものにした方がいいという当時の担当さんのアドバイスのもと、当初のプロットを大改造したのが1番苦労したところでしょうか。

――― トライアル連載終了後も、コミティアでの第2巻頒布など制作が続く本作。思い入れなどはありますか?

 単純に頭の中にあるものを描ききらないと気持ち悪いというのが大きいです。

 マンガと真剣に向き合うにあたり商業誌の担当さんとお話しするなかで、同じテーマで描かせていただけることはないのだと悟って、自分の中にある「心を食べる奴ら」の、まだ描ききれていないものはこのお話で出しきって最後にしないといけない、という気持ちで描いています。

――― うれしかった読者からの感想は?

 叶わないであろう恋をしてしまった友人に「恋心を食べてほしいのかもしれない」と言われたときに、描いていてよかったなと思いました。

 恋心だけでなく、愚痴だったり直せない癖だったり、自分にとってただ邪魔で忘れたい悲しい気持ちにちょっとだけ寄り添って、悲しさをまぎらわせる助けになれたらうれしいです。

――― 今後の活動予定は?

 今回のお話の続きは引き続き描いて公開したり、まとめたものをコミティアに出したりなどしていく予定です。

 また、まだどうなるかは分からないのですが商業の方で動いているお話も。ちゃんと実現させて、いつかX(旧Twitter)でご報告ができたらなと思います。

制作協力:かげやま六美さん(@kgym623

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

       | 次のページへ
ページトップに戻る