事故死した息子夫婦のカフェを「オラたちでやるべな」 老夫婦の第二の人生を描いたマンガに「号泣」「親の声を聞きたくなった」と感動の嵐(1/2 ページ)
2010年、文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品になった『かへ』。
事故で息子を失った老夫婦の第二の人生を描いたマンガ『かへ』が「号泣」「親の声を聞きたくなった」とX(旧Twitter)で話題になり、約6.4万いいねを獲得しています。
『かへ』は原作・藤井慶さん、作画・平井志さんによる作品。2007年にマッグガーデン社より短編集として発売された他、文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品(2010年)に選ばれた後、全3章構成の作品としてフランスで出版されています。
物語の始まりは、漁師のおじいさん・源次郎が、妻のおばあさん・トメの営む食堂「蟹江食堂」で仕事終わりの朝食を食べるシーンから。2人のあいだには漁師の仕事を継がず、夢を追って20年前に上京した龍太という息子がいるのですが、ある日、交通事故で夫婦ともに亡くなってしまいます。
龍太が最期に残した言葉は「子どもと店をたのむ」。息子が経営していた「Cafe Crab Creek」がどんな店だったのか一目見ようと鍵を開けたとき、事情を知らずに店外で待っていた客たちが入店。そもそもカフェというものを知らず、周囲に「“かへ”ってなんだべ?」と聞いてしまう源次郎も、たちまち埋まった客席を見て「息子の店はこげにも大事にされていたんじゃのう……」と気付きます。
そして、トメが気付いたのは「Cafe Crab Creek」が若い人向けのオシャレなつくりながらも、龍太や源次郎、トメにとって思い出深い蟹江食堂のような内装を取り入れていること。老夫婦は「あいつのかへ、オラたちでやるべな」と決意し、亡くなった息子夫婦に代わって、東京でカフェを経営しながら孫を育てる第二の人生を始めるのでした―――。
「朝から嗚咽(おえつ)漏らして泣いた」「めっちゃ静かに涙こぼれた……演出と表現力と画力凄すぎて……」と感動の声が寄せられる本作について原作者・藤井慶さんにお話を伺いました。
――― 「漫画界におけるカンヌ」とも言われる「アングレーム国際漫画祭2013」で受賞するなど、高い評価を受ける本作。制作のきっかけなどはございますか?
ふと浮かんだアイデアを書き起こすうちに、登場人物がつぶさに浮かんできて、それを作画の平井志さんが丁寧に描いてくれました。
――― 本作の制作で特に力を入れたところは?
意識せずとも、親が子に、子が親にそれぞれ影響を与えあって生きていることが伝えたかったです。それがたとえ亡くなった後だったとしても。
――― 原作者としてこの作品への思い入れや、ご自身の中で気に入っているポイントはありますか?
平井志さんの魂のこもった作画ですね。源次郎やトメのシワのひとつひとつに人生を感じます。
――― 読者へのメッセージをお願いします
この物語を読んで、ご家族のことに思いをはせてもらえたらうれしいです。一言優しい言葉をかけるとか、電話をするとか。
それから、平井志さんとのコンビでフランスで発売されていた『終恋(ついこい)』が逆輸入されて、日本でも発売されました。70代でそれぞれ連れ合いを亡くした2人が、初恋のような純粋な恋をするお話です。もしよろしければお読みください。
制作協力:藤井慶さん
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。