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懐かしGIF動画「壁砕き」が20周年 どんな思いや環境で作っていたのか作者に話を聞いた(1/3 ページ)

今見てもすごいクオリティー。

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 昔からネットに触れていた人であれば1回は見たことがあると思われる有名GIF動画「壁砕き」が公開されてから早20年……。当時どのような思いや環境で作成していたのか、作者に話を聞きました。

壁砕き 懐かしすぎるこの始まり

作成時間はなんと1週間

 壁砕きは、開かないドアをぶち破ろうと棒人間がド派手なアクションで壁をボコボコにしまくる内容。最後は地球にクレーターができそうなほどの大技をぶちかましますが結局開かず、実は引き戸だった……というオチで終わります。当時はさまざまなサイトに転載され、注目を集めました。

壁砕き ド派手なアクションでぬるぬる動きます

 壁砕きの作者は、RENさん(@REN_multilockon)。X(旧Twitter)で2023年12月に20周年を迎えていたことを報告したところ5万件近い“いいね”が寄せられ、懐かしがる声が多数上がりました。

 では、いったいどのようにしてこの人気GIF動画が生まれたのでしょうか。

―― 作ろうと思ったきっかけは何かありましたか。

RENさん: 当時はgifアニメ職人が大勢いまして、ネット上で見せ合うコミュニティーが発展していました。XIAOXIAOに端を発するであろう「棒人間が格闘するアニメ」が圧倒的な流行を見せており、自分もその仲間入りをしようと考えたのが始まりです。

 僕はテレビのアニメを見る習慣が乏しく、専らゲームが娯楽、そして発想の源になっていました。親にゲームを制限されている期間も、コントローラーを持ちビデオ録画したアニメなどの画面に合わせて操作しているテイで視聴するという筋金入りで、動画作りすらも「自分しか持っていないゲームのプレイ動画」のような感覚で描いていました。

―― 制作にかかった時間はどの程度でしたか。

RENさん: 1週間です。「棒人間」「動くキャラクターが常に1体のみ」「念入りに描き込まず粗さを勢いとして見せる」という究極の省エネ構成なのでとてつもなく早いです。慣れた人なら1〜2日も可能だと思われます。

 現在使用しているのはEasytoonBRABRAというツールで、当時よりも非常に使いやすく今なお重宝しています。

―― 元ネタのありそうなシーンもいくつか見受けられますが、影響を受けたり参考にした作品はありましたか。

RENさん: 「FINAL FANTASY4」のデモンズウォール、「聖剣伝説2」のルームガーダー、「がんばれゴエモン3」の極悪ダム、XIAOXIAO2の対石柱戦など、ゲームにおいて「壁のボス」と戦う機会が異様に豊富でして、打撃・射撃・魔法・召喚などあらゆる手段を矢継早にたたき込む光景は当時鮮烈に映り、壁砕きの原型となっています。

 面白そうだからというのは建前で、実際は複数のキャラクターを動かすのが面倒だったからというのが最大の動機です。本当にラクなのでこれからアニメを始める方にも“壁”はお勧めです。

―― 当時いろいろな掲示板などに転載されていたと思うのですが、最初に公開したのはどこだったのでしょうか。

RENさん: 自身のWebサイトと、今はもう閉鎖されましたが大日本動画帝國というサイトに発表したのが最初です。

―― 今回の反響の大きさについての感想や思いを聞かせてください。

RENさん: 軽い気持ちで作ったのでいまだに実感が湧いていませんが、今なお覚えていてくださる方、新しく見てくださる方がいるのはありがたいことです。

 可能なら生涯描き続けていきたいと思います。


 なお、RENさんは他にも多数寄せられた質問について、自身のXで回答しています。

動画提供:RENさん(@REN_multilockon)

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