死んだ生き物を蘇生させる薬で親友をよみがえらせたら――生きることや死ぬことについて考えさせられる創作漫画が反響を呼び、1200万回以上閲覧されています。作者はWebで漫画を公開しているなまくらげ(@rawjellyfish)さん。
たった一人の友達・理依の死を知らされた主人公の椎菜。なんとかしようとあがいた結果、奇跡的に蘇生薬が完成し、火葬される前に理依を生き返らせることができました。
「椎菜が生き返らせてくれたんだって?」と問われ、照れながら認める椎菜でしたが、それに続く理依の言葉は彼女にショックを与えるものでした。
「どうしてそのまま死なせてくれなかったの」
自ら死を選んでいた理依。蘇生薬は他の人に使ってほしい、自分のことは放っておいてほしいと椎菜に告げ、数日後に再び命を絶ったのです。
親友の死ぬ権利を踏みにじったと悔やむ椎菜のもとに、蘇生薬を利用したいと医師から連絡が入ります。蘇生薬は世のためになるけれど、理依のような不幸も起こり得る――椎菜はある決断を下します。
生死の選択について考えずにはいられない物語に、X(Twitter)では「死ぬことについて考えさせる良いお話」「生きる死ぬ権利だけじゃなく、生き返る権利まであると、選ぶの難しいですね」「私だったらどうするかなぁ。それでも生きたい!!と思える人だけに使って欲しいよね。望まない場合もあるし…」などの声が寄せられました。
ねとらぼ編集部ではなまくらげさんに、このお話を考えたきっかけや背景などについて聞きました。
――このお話を考えたきっかけや背景をお聞かせください
なまくらげさん 普段から死生観や倫理について考えることが好きで、その一端を漫画することが多いです。本作も、ひとつ前の作品で簡単に命を絶てる設定の話を描いたこともあり、次は生き返る方向で描いてみようと考えたのがきっかけでした。自分自身、過去何人かの親族を闘病の末に亡くした経験もあり、人を死なせないことの是非について個人的に考えの整理をしたい気持ちもありました。
――もし本当に蘇生薬があったら使うと思いますか。自分に使ってほしいと思いますか
なまくらげさん 誰かに使う場合は、なるべく生前に本人の意思を聞いておいて判断したいですね。自分に対してですが……若いうちに不慮の事故とかであれば使ってほしい気持ちがありますが、年老いてある程度寿命の範囲になってきたら自然に逝かせてほしいかなと思います。
――寄せられた反響について感じたことをお聞かせください
なまくらげさん はじめは予想以上に多くの方に見ていただけてうれしい反面、テーマがテーマだけに自分の手を離れて悪い方向に広がってしまう懸念もありました。しかし実際はそんなことはなく、多くの人に好意的な感想をいただけたり、テーマについて深く考えていただけたりして、ほっとすると同時に読者の方に恵まれたなぁとありがたく思いました。
作品提供:なまくらげ(@rawjellyfish)さん
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