ゲームや映像作品に影響を与えてきたインターネットの都市伝説「The Backrooms(バックルーム)」。その元ネタとなった画像の場所が有志によって特定されました。
バックルームは、海外の画像掲示板4chanに2019年5月に投稿された画像が発端とされています。パラノーマル(超常現象)関係の板で、4chanユーザーが「不安になる場所」の画像の投稿を呼びかけ、その一つとして、斜めのアングルで写された黄色い壁紙とカーペットの部屋が投稿されました。
この画像に4chanユーザーが「あなたがうかつにもおかしな場所で現実から抜け出してしまうと、バックルームに行き着く。古く湿っぽい絨毯のにおい、黄色一色の壁紙の狂気、終わりのない蛍光灯のノイズ、およそ6億平方マイルのランダムに仕切られた空っぽの部屋しかない場所にとらわれる」という説明文をつけ、画像は「バックルーム」としてネットに拡散。2022年には16歳の監督がバックルームを題材にしたショートフィルムをYouTubeに公開して話題になり、現在では約6000万回再生されています。バックルームを題材にしたゲームも多数あり、人気ホラーゲーム「8番出口」もバックルームに影響を受けています。
撮影場所は
バックルームの画像がどこで撮影されたのかはこれまで不明でしたが、2024年5月末に米オレゴン州オシュコシュのホビーストア「HobbyTown」であることが特定されました。2003年3月に、HobbyTownがラジコン用サーキットに改装する前の店舗の写真として掲載していたものでした。当時のページがInternet Archiveに保存されています。
撮影場所の特定に取り組んでいたネットユーザーの説明によると、4chanのアーカイブから、2011年に投稿されていたバックルームの画像を発見。そのファイル名「Dsc00161.jpg」を検索したところ、2019年のTwitter(現X)の投稿が見つかったといいます。この投稿では、「(バックルームの)元の画像を見つけたと思う」として、「hobbytownoshkosh.com/Dsc00161.jpg」のリンクを貼り付けていました。このリンクはつながらなくなっていましたが、Internet ArchiveでHobbyTownのサイトだと特定したとのこと。
HobbyTownはこの発見を受け、Facebookで「オシュコシュの建物がインターネットですごく有名だと分かった」として、改装前と改装後の写真を公開しています。
なお特定班の1人は、仕切り壁らしきものが見えることや壁紙が複数種類貼られていることから、撮影場所は家具店の展示スペースではないかと推測していました。同じ建物に以前「Rohner's Furniture」という家具店が入居していたことも判明したそうです。
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