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男子バレー「顔ファン」の是非 世界大会に“推し活うちわ”はアリなのか? ジャニーズ後の応援を考える(2/3 ページ)

試合会場は今、アイドルの“推し活”のような応援風景が見られるようになっている。

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結局はマナーの問題

 うちわやグッズを使った応援は、古参のバレーファンから見たら違和感があるものの、それだけで批判されるべきものではないだろう。応援スタイルがふさわしいかどうかは結局、「選手や他のファンの迷惑になっていないか」というマナーの問題に尽きるのではないか。

 2023年のOQTで筆者が観戦した男子代表の試合では、前の列で、推し選手に向かってうちわ2枚を高く掲げる女性がいたせいで、筆者の席から選手が見えなくなってしまった。

 24年のVNL福岡大会では、選手が宿泊するホテルで“入り待ち”“出待ち”するファン達が問題になり、日本バレーボール協会が「選手宿泊先へサイン等を求めに来る行為などは遠慮いただきたい」と呼び掛けた。

 西田選手は自身のXで、この発信を引用した上で、「試合を終える度に出待ちの方々が増えていました。有難い事とは思いますが、約束事を守ってる方々もいらっしゃるので、近くで見たい気持ちはあると思います。それはホテルではなく会場に来て頂いて応援していただけたらと思います」とXに投稿し、ホテルへの押しかけに苦言を呈した。

消えたサーブの「そーれ!」 “応援自主規制”の是非

 応援マナーをめぐっては、ファンがお互いに声を掛けて“自主規制”するケースもある。例えば、2023年ごろまで、日本チームのサーブに合わせてファンが「そーれ!」と声を上げることが一般的に行われていたが、「選手のサーブのリズムが崩れる」とSNSなどでファン同士が呼び掛けた結果、24年のVNLではこの声が聞こえなくなった。

 これについて、「ファンのマナーが向上した」と評価する向きもあるが、VNLの副音声解説で元日本代表の狩野舞子さんと柳田選手が「そーれの声はそれほど気にならない」と話していた。2人以外で気にする選手はいたかもしれないが、ファンが想像で「これは迷惑だろう」と思って自主規制することが正しいとは限らない。

 ホテルでの出待ちや、応援うちわを目線より高く掲げることなどは論外としても、それ以外のさまざまな応援について、選手にとって何が歓迎され、何が迷惑なのかは、本人から発信してもらった方が分かりやすい。自主規制はファン同士の反目・分裂の火種にもなるので、今後も協会や選手から明確に、「○○はやめてほしい」と発信してもらえたらありがたい。

 男子代表はここ数年で集客力が上がり、連日満員のファンの中で生き生きとプレイしている。バレーを盛り上げてくれる仲間が増えれば、競技を支えてくれる人口とおサイフが増える。これからもバレーを観戦していきたい筆者としては、たとえ“顔”が入り口になったとしても、ファンの増加は歓迎したいと思っている。

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