YouTubeチャンネル「ぴぴんap生き物チャンネル」に、崩壊しかけた飼育難関種のアリ「ヨコヅナアリ」の立ち上げに初成功した様子と、そのコツをまとめた動画が投稿されました(※本記事にはアリが多数登場します。虫が苦手な人、集合体恐怖症の人は閲覧注意です)。
アリ飼育の難関種「ヨコヅナアリ」
こちらの動画を投稿したのは、は虫類から昆虫、海洋生物までさまざまな生き物を飼育しているぴぴんさん。そんなぴぴんさんは今回、紆余曲折ありつつも東南アジアに生息する飼育難関種「ヨコヅナアリ」の立ち上げに成功したのだといいます。
最初は女王2匹とマイナーワーカー(小さな働きアリ)がたくさんという、安心安全な状態で飼育をスタートしたはずのぴぴんさんですが……?
数々の困難を乗り越えて増えたヨコヅナアリ
飼育スタートから数日後、なぜか女王が1匹死んでしまいました。さらに軌道に乗ったと思って新居+新しい餌場に引っ越しをしたところ、マイナーワーカーが大量死。マイナーワーカーが数匹しかいないという、壊滅的な状態になってしまったのです。
もしやエサを持っていくのに苦戦しているのでは? と思いついたぴぴんさんは、餌場ではなく巣穴にエサを直接入れ続けてみることに。するとなんとか回復し、状況が安定したのだそうです
現在の巣をじっくりと見てみると、マイナーワーカーの他にたくさんの卵やサナギ、幼虫の姿が見られます。どうやらコロニーは安定したようですが……なんとアリが脱走するという、とんでもないハプニングが発生しているのだとか。
一旦アリが脱走していると思われるところをふさぎ、外に逃げてしまったアリを筆にくっつけて戻し様子を見ることにしたぴぴんさん。エサとしてレッドローチと呼ばれるゴキブリを与え、アリが一気に群がる様子を見せてくれたのでした。
数々の困難を乗り越えてつかんだ飼育のコツ
ぴぴんさんによると、ヨコヅナアリの飼育難易度が高い理由は「マイナーワーカーが弱いこと」にありそうだとのこと。マイナーワーカーは巣の中でエサを運ぶなどの仕事をするアリであり、マイナーワーカーがいなくなると巣が終わってしまうのだとか。
そこでたどり着いたヨコヅナアリ飼育のコツはずばり、「マイナーワーカーが死なないように飼育する」こと。巣穴にエサを入れるなどしてマイナーワーカーに仕事をさせず、なるべく疲れさせないようにするといいようです。
また温度の管理も重要とのこと。スタート時は30度に設定していたものの、代謝がよくなりすぎるのかマイナーワーカーの死ぬ率が高かったため、現在は27〜28度で管理しているのだそうです。湿度も重要で、乾燥させるとこれまたマイナーワーカーが死んでしまうのだとか……。
そしてなにより、エサ不足が一番まずいとのこと。エサ不足ではコロニーが大きくならない上に寿命が短くなるため、十分なエサを与える必要があるのだとか。常に死んでしまう個体の数より新たに生まれる個体の数が多い、生産性が高い状態を保つことを心掛ける必要があるのだそうです。
なお巣の中には頭が大きく、おしりに蜜をためている非常食や貯蔵庫のような役割の働きアリがいるのだそうです。この個体を作っておかないと、巣の中でひもじい思いをしている個体が死んでいってしまうのだとか……ヨコヅナアリはなんとも繊細な生き物なのですね……!
「ちょうど飼いたかったからうれしい!」の声
こちらの動画には、「ちょうど飼いたかったからめっちゃうれしい!」「コロニーがでかくなるとでかいメジャーワーカーも餌場に出てくるようになりますよ」といったコメントが寄せられています。
ぴぴんさんが飼育している生き物たちの様子は、同チャンネルとX(@Apiyarou2012)に投稿されています。
画像提供:YouTubeチャンネル「ぴぴんap生き物チャンネル」
(三日月 影狼)
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