「こっっっわ」 ただのLINEだと思ったら……よく考えると分かる“恐ろしい真相”に背筋が凍る――“注目急上昇中”の謎解き作家に「発想の源泉」を聞いた(2/4 ページ)
LINE見るの怖くなる……。
角谷さん「フィクションが現実に侵食してくる瞬間が好き」
―― 「#この謎解きはフィクションです」を始めたきっかけを教えてください
角谷さん: 以前謎解きのお題を募集したことがあって、そのときに「ホラー」というお題をいただきました。
それで最初に出したLINEと鏡の問題を思い付いたのですが、実際作ってみるとかなり不穏な画像になったので「フィクションであることに言及した方がいいな」と思ったのが発想のきっかけでした。
私自身フェイクドキュメンタリーやモキュメンタリーが大好きな人間なので、その文脈と謎解きをミックスさせることができたら面白いと思い、このシリーズを始めてみました。
―― 1枚の謎にいくつもの仕掛けがある秀逸な問題が多い印象ですが、問題作成の際に心掛けていることはありますか?
角谷さん: メインの問題さえ解けば大筋の物語は体験できて、隠し要素は考察の深掘りのため、といったイメージで作問しています。
メインの問題を解いてゾッとするだけでもよし、「まだ何かあるはずだ!」とさらに問題を探ってみるのもよし。どちらの人にも楽しんでいただきたいという狙いがあります。
謎解きに答えはあれど、物語の正解は語られないので「自分が感じ取った世界」を解き手の方々には大事にしていただきたいなと。
―― 好きな作品・謎解き公演やアイデアを思い付くためにしていることなど、発想の源泉についても教えてください
角谷さん: このシリーズでいえば、一般的な謎解き公演よりも「SCP」や「フェイクドキュメンタリーQ」の影響をかなり強く受けています。
作家さんですとホラー作家の梨(@pear0001sub)さんや雨穴(@uketsu)さん、あとYouTubeでShortsを出されている奇譚師にんぎょ(@mermaidbot97)さんの作品を好んで見ています。
また、“日常の中に混ざる異物”を謎解きにしたいので、看板や生活用品などなるべくありふれたものを「謎解きに絡められないか」「ここから不思議な展開がはじまるなら?」という視点で観察していますね。
あとは逆に、不思議な話や怖い話を先に考えて「この話に謎解きが登場するなら?」という発想で考えることもあります。
―― 今回の問題含め「#この謎解きはフィクションです」シリーズには大きな反響が集まっていると思うのですが、心境はいかがでしょうか?
角谷さん: とてもうれしい反面、かなり突然注目が寄せられたので、いまだにびっくりな気持ちが残っています。
ただプレッシャーとかはあまりなくて、「今度はどんな方法で問題を出そう?」と考えて毎回新しいことに挑戦するのが本当に楽しいので、リラックスした気持ちで作っています。
―― 最後に今後の展望についてお聞かせください
角谷さん: フィクションが現実に侵食してくる瞬間が好きなので、Xに限らないフォーマットでも物語を展開してみたいです。Webサイトや周遊イベントなど……。
皆さんに「もしかしたら自分の周りにも謎が仕掛けられてるかも?」なんて思ってもらいながら、普段の投稿も楽しんでいただけたらうれしいかぎりです。
取材協力:角谷進之介(@Kadoya_Sk)さん
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