高級洋菓子店「シェ・タニ」(熊本県)の代表、谷誠志氏は10月15日、シールを貼り替えて賞味期限を改ざんしていたとの報道を受け、謝罪するとともに、同社の調査で判明したことについて報告しました。
保健所「賞味期限の設定が科学的・合理的でない」
報道では、同社は2023年4月に、売れ残ったバレンタイン用「アマンドショコラ」約200個のシールをはがし、賞味期限を延長したものに替えたと伝えられています。
同社では主要な商品について、第三者機関に細菌の有無などの調査を依頼し、その結果に基づいて賞味期限を設定していたものの、当該商品は主にバレンタインデー向けの季節商品だったことから調査機関への調査を依頼せずに賞味期限を設定していたと述べています。さらにここ2年ほどは売れ残った商品について、類似商品の調査結果を参考に賞味期限の延長を行っていたとしています。
保健所から「そもそもの賞味期限の設定が科学的・合理的でない点が問題」との指摘を受けたとし、現在は当該商品について第三者機関に調査を依頼しているとのこと。結果が判明するまでは販売を中止し、主要商品だけでなく季節商品も含めた全商品について科学的・合理的根拠をもって賞味期限を設定したうえで販売すると述べています。
当該商品をこれまで購入した顧客が返金を希望する場合は、レシートまたは当該品(缶)があれば返金対応するとしています。
クリーム再利用について説明
谷氏はシュークリームやケーキのクリームを再利用していると報道されている点についても説明。「売れ残りシュークリームからクリームを抜いて別の皮に入れて販売していた」と認め、「シュークリームは消費期限が2日間なので新しい皮へクリームを再利用し、2日目のものは廃棄していた」「消費期限1日の商品として販売することに何らの違法性はない」としています。
ケーキのクリームについては、売れ残ったケーキのクリームを再利用することはなく、型崩れなどで販売できなくなったケーキに新しいクリームを使用し修正補修をしていたため、「何ら問題はないと考えていますし、フードロス削減の観点からも望ましいと考えておりました」と同氏は述べています。
「もっとも、今回の報道を受け、お客様に誤解を招く行為であったことを反省し、今後はシュークリームの詰め替え及びケーキへの修正補修を中止することとしました」(谷氏)
報道された問題について、「全て弊社代表者の責任であり、今後は保健所の指導にしたがうのは当然のこと、お客様に誤解を招く行為がないよう全社員一丸となり、改善に努めて参る所存です」と谷氏は述べ、今後も調査結果や改善策などについて適宜報告するとしています。
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