「今はヘテ 分はヘ刀」 “懐かしの駅看板”が「俺を萌え殺しに来ている」理由 「ほぼ総ての漢字のクセがスゴイ!」(1/2 ページ)
はしごだかとたつさきのコンボもアツい。
“俗字”で書かれた古い駅の案内看板の画像がX(Twitter)に投稿されると、「ほぼ総ての漢字のクセがスゴイ!」「な〜つかしい〜!」と話題。記事執筆時点で9万回以上も表示され、鉄道ファンやノスタルジックなものが好きな人たちの間で盛り上がっています。
よく見るとなんか違う “俗字”で書かれた古い駅の案内看板
投稿したのは、日本のなつかしい風景を探して旅をしている、一人旅研究会の栗原悠人(@hitoritabiken)さん。
投稿された古い駅の案内看板をよくみると、「今」「度」「高」「崎」「約」「分」「程」「見」といった漢字が、通常の書き方ではない“異体字”になっています。特に「今」などは昭和中期以前の俗字で描かれており、栗原さんの心をわしづかみにしたようです。
ここでいう俗字は、正しい漢字ではないものの、世間一般に使われていた漢字の字体で、「恥」を「耻」、「卒」を「卆」、「館」を「舘」と書くなど、主に手書きで使用される異体字の一種です。
これらが鉄道関係で使用されていたのは、旧国鉄時代の名残りで、国鉄では鉄という字も「金」に「矢」と書いた俗字が使われていました。
本来「鉄」という漢字は「金」に「失」(金を失う)という文字の組み合わせですが、当時国鉄は多額の赤字に苦しんでおり、鉄道を作ると「国が金を失う」と揶揄されることがあったことから俗字を使用したと言われています(関連記事)。
また、「金」に「矢」とは違った方法で「金を失うこと」を避けている鉄道会社もあります。現存する静岡県の大井川鐵道は、社名に「鉄」ではなく旧字の「鐵」の字を使っており、これもやはり“ゲンかつぎ”に由来しています。
このように旧国鉄時代には、駅などの手書き看板で俗字が使われる事があったのですが、1987年に国鉄からJRに変わって以降は、本来の「漢字にはない文字は使わない」という理由で、その大部分が「JIS漢字コード規格」に改められました。
このため、鉄道マニアや国鉄時代を懐かしむ人たちにとっては、俗字で書かれた案内看板は懐かしさもあいまって人気があり、この投稿にも「“今”だけではなく、はしごだかとたつさきも良いですね」「程も王でなく壬になってたり、興奮しっぱなしですw」「このフォント欲しいです!」といったさまざまなコメントが寄せられていました。
栗原さんはXの他に、YouTubeや、Instagramなどで旅の報告もしています。2024年8月には、マール社から商業写真集「一人旅研究会・ノスタルジック写真集〜日本のなつかしい風景を旅する〜」を発売しています。
ちなみに現在のJRも、社名ロゴマークに関してだけは、JR四国を除く各JRグループが、俗字で書かれた「金」に「矢」の文字がひっそりと使われています(関連記事)。
画像提供:一人旅研究会(@hitoritabiken)さん
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