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“盆栽”が超リアルなプラモに……! わからなさすぎる「盆栽プラモデル」について、バンダイスピリッツに聞いてみた(2/2 ページ)

「なんで盆栽をプラモに?」という疑問に答えてもらいました。

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──まず「植物のプラモデル」を作ろう、という企画だったんですね。

 そうです。全く別の企画を進める中でNEIGHBORHOODの滝沢伸介さんとつながりができ、検討を進めていたこの「植物プラモデル」のプレゼンテーションをする機会をいただけました。そのときにとても興味を持っていただけたことから、コラボレーションが実現した次第です。

NEIGHBORHOODのロゴが入ったプラモ用ツールのセットも発売。「プラモデルを作ったことがない人も、盆栽プラモと一緒に買って作ってみてね!」というメッセージが伝わってきます

──かなり初期からNEIGHBORHOODとの共同作業で進められたプロジェクトだったんですね。では、「植物のプラモデル」から「盆栽」にたどり着いた理由はなんだったんでしょうか?

 当初は盆栽に加えて多肉植物、塊根植物などが候補として挙がりましたが、MADE IN JAPANで作るのだから日本的な盆栽がいいだろう、ということで盆栽に決まりました。NEIGHBORHOODのプロデュースしていただいた製品ということもあり、モチーフとなる盆栽は滝沢伸介さんにご選定いただきました。盆栽アーティストのM本祐介さんが手掛けた作品です。

全工程が難易度MAXだった、盆栽プラモの設計

──実物の盆栽をプラモデルに落とし込むプロセスは、どのようなものだったのでしょうか?

 まず、盆栽を3Dスキャナーでデータ化し、そのスキャンデータをひな型にして、プラモデルとして作成できる商品用データに落とし込んでいきました。自然物をマスプロダクトとして量産できる形状に変換していく作業に、かなりの時間を要しました。

──技術的に難しかった部分や、工夫をした部分はどのあたりでしたか?

 全ての工程が難しかったです……。金型で成形できるようにデータを作成すること、樹皮のディテールを金型加工すること、細い/太い、厚い/薄いなどさまざまな条件が重なるパーツを成形すること、全ての工程で困難がありました。その中でも特に工夫した点は、1つ1つ形状が違う葉の雰囲気を崩さず、かつ、組立が煩雑にならないよう、葉を大・中・小でパターン化して自由に組み立てられるようにした点です。

松の葉は、組み上がった枝にユーザーが1つずつ取り付ける設計。ちょっとずつ葉パーツの形が違うのが分かります

──聞くだに大変そうですね……。では、いままでのバンダイスピリッツ製プラモデルとの共通点・相違点はどのあたりなのでしょうか。

 共通点としては組立てやすさだと思います。一見複雑そうに見えますが、枝・幹の部分はシンプルなパーツ構成なので、あまり時間を要さず組み上げることができます。相違点は、樹皮表面の複雑なディテールです。キャラクタープラモデルでも細かい表現は行っているのですが、ここまで凹凸が強く、なおかつ細かい表現は初めての挑戦となります。

プラモを作ったことがない人にこそ作ってほしい!

──従来のバンダイスピリッツ製プラモデルとは相当毛色の異なる商品ですが、想定しているユーザー像はどのようなものですか?

 これまでの回答と重なる部分もあるのですが、やはりこれまでプラモデルを触ったことがない人に手に取っていただきたいですね。プラモデルになじみのない方にNEIGHBORHOODとのコラボレーションで「プラモデル=カッコいい物、面白い物」というイメージを持っていただきたい……とも思っています。また、本製品は海外でも販売しておりまして、そちらでも大変ご好評をいただいております。

──「盆栽プラモ」として、シリーズ化の可能性はありますか?

 現状未定ですが、本商品で得た知見を今後の商品開発へ生かしていきたいと考えております。

──なるほど。確かに樹皮などのディテール表現に関する技術的蓄積は、他ジャンルのプラモデルを設計する上でも役立ちそうですね。ご回答ありがとうございました!

まだギリ予約可能です!

 企画から2年越しの発売となった、盆栽プラモデル。確かに「植物」のプラモデルとしてここまで巨大なものは相当珍しく、インパクトは抜群。当初はなぜ盆栽のプラモを……と思ったものの、「プラモデルを触ったことがない人にも注目されるようなキット」という目標があったと思えば納得です。一見すると「なんで……?」と思うような製品ですが、そこにはちゃんと理由と目的がありました。

 そんな「SRL X BANDAI SPIRITS . BONSAI MODEL KIT」は、現在プレミアムバンダイの特設ページで予約受付中です (準備数量がなくなり次第、予約受付は終了)。

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