【解説付き】P.A.WORKSのアニメ作品、あなたが一番好きなのは? ~アンケート実施~
INDEX
富山県南砺市に本部を置くアニメーション制作会社「P.A.WORKS」は、2000年に前進となる「越中動画本舗」が設立され、2002年に現社名に変更。「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」など多くの作品に携わり、2008年に初の元請作品「true tears」を制作。富山県を舞台にした切ない青春群像劇が反響を呼び、人気アニメ制作会社へと駆け上りました。
2020年5月10日には、人気クリエイター・麻枝准さんが原作・脚本を務める新作アニメ「神様になった日」が10月から放送開始されることが発表され、注目を集めています! ていうかP.A.WORKSファンからしたら待望の麻枝准さんとの新プロジェクト、期待しかないでしょ!!
今回、ねとらぼ調査隊では「P.A.WORKSのアニメ作品、あなたが一番好きなのは?」というアンケートを実施しています。なお、2020年6月3日時点で最終話まで放送されている作品のみを対象としています。ぜひ投票してください!
それでは、アンケート対象となっているP.A.WORKSのTVアニメを紹介していきます。
true tears
2008年に放送された、P.A.WORKSの初元請作品。原作は同名のゲームとなっていますが、ストーリーは完全オリジナルです。城端の古き良き街並みと、主人公・眞一郎とヒロイン3人、親友の三代吉の切ない関係性は、見た人の胸を締め付けます。本当に切ないですよ。ちなみに脚本は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」などで有名な岡田麿里さんです。
オープニング主題歌であるeufoniusの「リフレクティア」がまたいいんですよね。作曲を担当している菊池創さんが「true tears」の音楽も担当していて、劇伴も素晴らしいです。
ヒロインの中では、乃絵が「あぶらむし~」って歌っているのかわいいですし、絶対的負けヒロインの愛子も好きなんですが、やっぱり比呂美が一番好きですね。ストーリー上での成長が一番顕著に描かれているキャラでもあって、何よりストレッチしているシーンがとてもセクシーなので。
CANAAN
2009年に放送。原作はゲーム「428 〜封鎖された渋谷で〜」のボーナスシナリオであり、Fate/stay nightで知られるTYPE-MOONが制作しています。アニメでは本編のキャラ登場するなど改変点もありますが、「true tears」では見られなかったガンアクションや、原作シナリオを務めている奈須きのこさんらしい設定がとにかくカッコいい作品です!
カナン(CV.沢城みゆき)とアルファルド(CV.坂本真綾)の掛け合いや戦闘が本当に素晴らしくて、奈須きのこファンならばウキウキが止まらないはずです!
Angel Beats!
2010年に放送。原作・脚本を「AIR」や「CLANNAD」、「リトルバスターズ!」などで有名なゲームブランド「key」のクリエイター・麻枝准さんが務め、OP楽曲やED楽曲だけでなく、作中で活躍するバンド「Girls Dead Monster(通称、ガルデモ)」の作詞作曲や劇伴も担当しています。
死後の世界が舞台で、生前に未練がある若者たちが、天使と呼ばれるキャラクターと戦うという作品です。ガルデモの楽曲、ギャグ、ふと心に刺さるシリアスなストーリーなど、麻枝節がすごいですよね。「結婚してやんよ!」が有名ですね。
麻枝准さんの大ファンである筆者は、先日発表された「神様になった日」を知ってからワクワクが止まらないです。
花咲くいろは
2011年に放送。「働く女の子シリーズ」と呼ばれる最初の作品で、P.A.WORKSの10周年記念作品でもあります。2013年には劇場版「花咲くいろは HOME SWEET HOME」も上映されました。舞台となっている温泉街のモデルは石川県金沢市の湯涌温泉で、本作から始まったお祭り「ぼんぼり祭り」が実際に行われています。
母親の都合で、東京から母親の実家である温泉旅館に住み込みで働くことになった女子高生・松前緒花が「私、輝きたいんです!」と、輝くためにお仕事を頑張っていくという青春ストーリーです。とにかく心情描写と作画が素晴らしくて、めっちゃ好きです。「ホビロン」という罵倒も有名です。
「true tears」と「花咲くいろは」のお陰で北陸地方が大好きになりましたね(聖地巡礼済み)。
Another
「Anotherなら死んでた」というネットスラングを生み出した作品。小説家・綾辻行人さんの同作品が原作で、とにかく人が死にます。2012年に放送。
あまり詳しくは書きませんが、この作品の素晴らしいところは、“小説だから成り立つ叙述トリック”を、創意工夫で成り立たせたところですね。本格ミステリの綾辻行人さん原作作品をありとあらゆる手を使って成り立たせたという点がメッチャすごいと思います。
原作を読んでいるとそこに目が行きがちですが、未読で見たほうが楽しめますね。
TARI TARI
2012年に放送された合唱をテーマにした青春アニメです。神奈川県藤沢市や鎌倉市が舞台となっています。タイトルは「~~したり ~~したり」と例を列挙する言葉から来ており、第1話のサブタイトルは「飛び出したり 誘ったり」となっていて、全話この形式になっています。
「合唱時々バドミントン部」という、チェスボクシングみたいなカオスさの部活動を行う高校生5人の物語……なんだけどバドミントン成分は薄めで、たった一人のバドミントン選手・田中大智は女子部員に良いように使われています。
部員全員の個性のベクトルがバラバラ過ぎてカオスなんだけど、そこが面白い! 高校生が身内ノリで言いそうなセリフが満載で、生徒に厳しい教頭先生のモノマネとか、日本をよく知らない帰国子女のウィーン(前田敦博)に嘘を教える女子部員とか、凄く良いです。大智は良い人すぎる。もっとバドミントンに熱中してほしい。
でも5人の声優さんが歌う合唱曲はすごく感動します。あと、1話で「リフレクティア」が歌われていて、ファンサービスが嬉しかったです。
RDG レッドデータガール
2013年に放送。原作は荻原規子さんによるファンタジー小説で、角川文庫創刊65周年記念作品です。
主人公の鈴原泉水子は「姫神」が憑依する家系の女性で、山伏の家系である相楽深行と再会したことで、物語が動き始める、というストーリーになっています。
キャラクター原案が「花咲くいろは」と同じ岸田メルさん。監督は、後に「凪のあすから」や「色づく世界の明日から」など、独特な世界観のオリジナルアニメの監督を務める篠原俊哉さんです。
「有頂天家族」シリーズ
「四畳半神話大系」などで有名な小説家・森見登美彦さんが原作のアニメとなっています。2013年に第1期、2017年に第2期が放送されました。
京都には昔から人に化けた狸と天狗が、人間社会に紛れて暮らしている、という設定で、主人公の下鴨矢三郎は下鴨神社・糺の森に住む狸の一族で、自由気ままに暮らしています。いつもは人や物に化けて騒ぎを起こすなどしていますが、狸の姿に戻るとかわいいです。特に矢三郎の弟、矢四郎がかわいいです! むしろ狸の姿じゃないほうがかわいい。
キャラクター原案は『さよなら絶望先生』や『かくしごと』で知られる漫画家・久米田康治さん。「有頂天家族」の作風とめちゃくちゃ合ってると思いませんか!? すごく良いです。
凪のあすから
2013年に放送。篠原俊哉さんが監督で、シリーズ構成は岡田麿里さん。
海の中で人間が呼吸できる世界が舞台。普通の街並みなのに、そこら中に魚やくらげがいる不思議な世界観が素敵です。
海の世界と陸の世界に分かれていて、男子中学生の主人公・先島光たち海の村に住む4人が、陸の世界の学校に転校するところから物語が始まります。光たちの青春のほか、海の世界と陸の世界のいさかいなども描かれており、メッセージ性も強い作品です。とにかく映像が綺麗で、ファンタジーな世界観だけでもずっと見ていたいと思えます。
グラスリップ
2014年に放送。「true tears」の西村純二さんが監督で、高校生5人の男女グループが、転校生の駆と出会うことで始まる青春群像劇です。
主人公・透子の実家はガラス工房で、透子はガラスを通すと幻覚のような「未来の欠片」が見えます。未来の声が聞こえるという駆との出会いで、2人の距離は縮まっていきますが、透子たちのグループの関係は、少しずつ変わっていきます。映像を含め、その過程がとても綺麗に描かれています。
福井県が舞台となっていて、まだ行ったことがないので、そのうち行きたいです。北陸はいいぞ。
SHIROBAKO
2015年に放送。「花咲くいろは」に続く、働く女の子シリーズの2作目です。タイトルは、制作会社がスタッフなどに納品する白い箱に入ったビデオテープである「白箱」が由来です。2020年2月には続編である劇場版も公開されています!
高校生の時にアニメを作っていた5人の女の子が、それぞれアニメに関わる仕事に就き、それぞれの苦難を描いたストーリーです。見てると要所要所でドーナツや唐揚げなどが食べたくなる飯テロもふんだんに盛り込まれています。
主人公で、アニメの制作進行を務める「みゃーもり」こと宮森あおいを主軸に展開していきます。これを見た後では作画崩壊とか、軽々しく言えなくなりますよね。万策尽きたんですから、イデポン宮森がいなかったんですから……。
イデオンとかマクロスとか王立宇宙軍とか作品のパロディだけでなく、スタッフや声優などのパロディが多くありますが、知らなくても超面白い。
Charlotte
2015年に放送。「Angel Beats!」から5年、麻枝准さんによるオリジナルアニメ2作目。主人公は麻枝准さんの作品の中でも屈指のゲスといわれています。
思春期の少年少女の一部に不完全な使い勝手の悪い特殊能力が発症する世界。主人公の乙坂有宇は「他人に5秒間だけ憑依できる」能力があり、カンニングなどに悪用しまくって、優等生になりすましています。初期のコミカルなストーリーから後半の怒涛の展開がすごいです。あと有宇の妹である歩未がかわいい。
ロックバンド「How-Low-Hello」や「ZHIEND」の楽曲も人気で、ガルデモに続き、麻枝准さんの楽曲や歌詞が楽しめます。
豆知識ですが、「Angel Beats!」はAB、「Charlotte」はC、「神様になった日」は「The Day Became a God」なのでDとなり、並べるとABCDとそろっています。
ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜
2016年に放送。初野晴さんによる推理小説シリーズが原作。高校生の千夏と春太が、吹奏楽部に所属しコンクールに向けて奮闘する中で、学校で起こる謎を解決していくという青春ミステリです。
とはいいつつも、吹奏楽部でのシーンよりミステリが主軸です。フルートが似合う清楚なキュートガールになって青春を送るべく吹奏楽部に入る千夏ですが、春太と一緒に謎を解いていくことになります。その中で結果的に部員も増え、青春を送る空気感が楽しいんですよね。
千夏は吹奏楽部の顧問である草壁先生に恋をしちゃうんですが、実は春太も草壁先生に恋をしているという少し変わった三角関係も見どころです!
クロムクロ
2016年に放送された「P.A.WORKS 15周年記念アニメーション作品」でした。P.A.WORKS初のロボットアニメでもあります。
富山県が舞台となっていて、黒部ダムなどが登場します。そして黒部ダムの近くでは「アーティファクト」と呼ばれる遺物の研究や、人型機動兵器の「ジオフレーム」の実験を行っている「国際連合黒部研究所」があるというSF設定。アーティファクト「ザ・キューブ」の中から裸のサムライが出てくるというボーイミーツガールのインパクトがすごかったですね。
P.A.WORKSってロボットモノも出来て、もう隙ないじゃん! って思いました。
サクラクエスト
2017年に放送。「花咲くいろは」「SHIROBAKO」に続く「働く女の子シリーズ」の3作目です。
田舎が嫌で東京に出たものの、就活で苦しんでいた主人公・木春由乃は、昔のアイドル「椿由乃」と間違えられて「ミニ独立国」であるチュパカブラ王国の2代目国王にされ、一年間町おこしをすることになります。
観光協会職員の四ノ宮しおりがめちゃくちゃ良い子なんですよね。しおりの「だんないよ(富山弁で大丈夫、問題ないの意)」が最高にかわいいです。しおりに「だんないよ」って言われたい人生だった。
ウマ娘 プリティーダービー
2018年放送。Cygamesのソシャゲが原作で、2018年冬リリース予定でしたが延期されており、2020年6月現在も事前登録を受け付けています。
実在する(した)競走馬がウマ娘と呼ばれる女の子に擬人化し、レースを行う、という設定で、アニメ版の主人公はスペシャルウィーク。競馬好きなら知っているかも。
競馬を知らなくても、日本一のウマ娘を目指すためにトレセン学園に入学し、ライバルと切磋琢磨していくスペシャルウィークたちの青春は十分楽しめます。
天狼 Sirius the Jaeger
2018年放送。ヴァンパイアを狩る狩人のストーリー。
主人公のユーリィは吸血鬼に家族を殺された過去を持つ人間と人狼のハーフで、復讐を誓っています。「CANAAN」「花咲くいろは」の安藤真裕さんが監督で、アクションシーンが見どころです。
ユーリィが「仕掛け三節棍」を武器にするという珍しい設定があり、昭和初期という時代など、世界観の作り込みがすごいです! 「天狼(シリウス)の匣」など中二病心をくすぐるワードもポイント高いです。
色づく世界の明日から
2018年に放送された篠原俊哉さんが監督のオリジナル作品。魔法使いの家系の月白瞳美は、祖母の琥珀によって2078年から2018年に送られ、学生として生活することになります。
瞳美は幼いころ、色が見えなくなってしまい、心を閉ざしていますが、過去の学校で「写真美術部」に入り、色々な人と関わっていきます。魔法が一般的に認知されていたり、そこまで万能じゃない魔法だったり、設定が凄く好きです。あと、未来の琥珀と若いころの琥珀のギャップが凄すぎて笑っちゃいます。
とにかく映像の色彩が綺麗で、色が見えない瞳美の演出も素晴らしいです! 一般の人でも魔法を使える「星砂」を使うシーンとか、唯翔の絵とか、めちゃくちゃ幻想的です。瞳美の心の成長も、ある意味で幻想的で、美しい。
Fairy gone フェアリーゴーン
2019年に分割2クールで放送されました。妖精の力を使い戦う「妖精兵」たちの戦いを描いた作品で、ダークファンタジーな世界観です。
そんな世界で、主人公のマーリヤ・ノエルは、妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する機関「ドロテア」に配属された新人。幼なじみのヴェロニカ・ソーンと再会するも、故郷を焼いた男への復讐に取りつかれていて……という、かなりビターなストーリー。大きな戦争の後、という設定も随所で生かされていて、中学生くらいの時に見ていたらもっとハマっていた自信があります。
さよならの朝に約束の花をかざろう
2018年に公開された劇場アニメ。「花咲くいろは」など多くのP.A.WORKS作品で脚本などを務めている岡田麿里さんの初監督作品でもあります。上海国際映画祭で最優秀アニメーション作品賞を受賞。これは日本のアニメ作品では史上初となりました。
長寿の一族「イオルフの民」は、長生きできる血を求められ、里を襲われてしまいます。イオルフの少女マキアは、運よく逃れますが、その先で生まれてすぐに親を亡くした赤子を見つけ、エリアルと名付け、育てることを決意します。
マキアとエリアルはそれぞれ幸せに成長していきますが、イオルフと人間には圧倒的な時間の壁があり、エリアルは葛藤の中で生きていきます。そんなマキアとエリアルの(イオルフと人間の)悲劇のようで幸せなストーリーは、多分見た人それぞれに異なる印象を与えると思います。
個人的には、岡田麿里さん脚本の作品の中で一二を争う傑作だと思います! 本作と「空の青さを知る人よ」と「花咲くいろは」は順位を付けられないくらい好きですね。もちろん「selector infected WIXOSS」みたいな作品も大好きですが!
その他
以上の作品が今回のアンケート対象となります。放送が始まりましたが現在延期となっている作品など、選択肢にない場合は「その他」に投票してコメント欄にお願いします!
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