家具通販大手のイケア、ニトリ、LOWYA それぞれの特徴は? ECサイトとアプリから比較してみた
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IKEAの売り上げは全世界合わせて前年度比4割増。今回は、ヴァリューズの市場・競合分析ツール「eMark+」を使い、イケア、ニトリ、LOWYAの3つのECサイトの特徴を比較しながら、3つのサービスの中間CVRを分析します!
イケアのグローバルEC売上が伸びている
最近はAmazonだけでなくインテリアや家具などもオンラインショップで探すことが増えてきたと思っていた矢先、こんな記事を見つけました。
記事によると、イケアの売り上げは全世界合わせて前年度比4割増とのこと。日本ではどうなのか、気になるところです。
今回は、ヴァリューズの市場・競合分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使い、イケア、ニトリ、LOWYAの3つのECサイトの特徴を比較しながら、3つのサービスの中間CVR(顧客転換率)を分析します!
国内ユーザー数ランキングではダントツでニトリ
まずは、どのサイトにユーザーが集まっているのかを分析するため、eMark+のサイトランキング機能を使って、家具・雑貨のショッピングサイトのユーザー数ランキングを見てみましょう。
赤い四角で囲ってあるのが、ニトリ、イケア、LOWYA(ロウヤ)。2019年10月には、ユーザー数で圧倒的にニトリが他2つとの差をつけ、サイトには月におよそ493万人ものユーザーが訪問しています。
また7位にイケア、14位にLOWYAがランクインしていました。
イケア、ニトリ、LOWYA、それぞれどんな特徴が?
次に、3つのブランドがどのような特徴があり、どのようなサービスを持っているのかを比較してみましょう。
まずはイケアから。
イケアと言えば、スウェーデン発祥のインテリアや家具、雑貨などを取りそろえているブランド。他の3つと比べるとデザインにもこだわりを持っていて、北欧テイストなデザインが好みなユーザーが多く買い求めているようなイメージがあります。
イケアのスマートフォンアプリは、商品の購入ができる「IKEA Store」の他に、商品カタログのアプリやARで家具を配置できるアプリなどの種類があり、それぞれ分かれています。
「IKEA Store」では、商品の情報を入手したり、近くの店舗の営業時間などをチェックできる機能があります。今回の調査では「IKEA Store」アプリを対象としました。
続いては、ニトリ。
ニトリは「お、ねだん以上。」のキャッチコピーで知られているブランドで、シンプルで求めやすい値段の商品が多いイメージ。日本発祥のブランドだけに、布団やこたつなどの日本独特の文化に合わせた商品も展開しています。
ニトリのスマートフォンアプリでは、ニトリメンバーズ会員証として使用するほか、ネットショッピングや店舗検索の機能がついているようです。
最後にLOWYAは、他2つに比べるとトレンドを取り入れているデザインの商品が多く、コンセプトやテーマを持ってお部屋づくりをしたい人に合うサービスと言えそうです。
LOWYAの公式アプリでは、LOWYAのアイテムで作られたインテリアコーディネート実例集などがあり、アイテムからではなく好きな部屋の雰囲気から商品を探すことができます。
3つのサービスそれぞれ、雰囲気や商品の提供の仕方に特徴があることがわかりました。
過去2年でどのくらいユーザー数が増えている?
続いては、各サービスにおいて実際どのくらいユーザー数がいるのかを見てみたいと思います。上記のサイトとアプリ合計の月間ユーザー数推移を、eMark+を用いて調べました。次の図をご覧ください。
一番上の濃いブルーの線がニトリ、赤がイケア、水色がLOWYAを表しています。まず上のグラフからわかることは、ニトリがユーザー数で他2サービスを圧倒していることです。
2019年10月のサイト・アプリ合算のユニークユーザー数は770万人と、日本ではニトリが非常に多く使われていることがわかります。
続いてはイケアのユーザー数推移をみてみましょう。
150万UU〜200万UUを推移しており、2019年10月は150万UUほどになっています。グラフから、ややダウントレンドであることが分かりました。
LOWYAのグラフを見てみると、月間40万UU〜50万UUほど。ニトリやイケアと比べるとUU数に大きな開きがあります。
しかし、この1年でユーザー数は微増している状況です。
3サービスのユーザー属性を比較する
ユニークユーザー数の次に気になるのは、ユーザーの属性。ここでは、男女比や性別を見てみましょう。
グラフから、3つのサービスとも女性の方が少しだけ多い割合になっており、大きな差はないようです。
年代別の割合では、LOWYAの20代〜30代の多さが目立つ結果となりました。
ニトリやイケアに比べてデザイン性も高く、値段もリーズナブルな商品が多いため、若い年代のユーザーから支持されていると考えられます。
コンテンツランキングから中間CVRを見る
最後に、eMark+のコンテンツランキングを使ってURL単位の訪問ユーザー数を出し、ショッピングカートの中間CVRを推計してみました。次の図をご覧ください。
中間CVRは、サイト全体の訪問ユーザー数のうち、ショッピングカートページを訪問したユーザーの割合としています。この推計の結果、ニトリが9.18%、イケアが12.3%、LOWYAが5.53%だったことが分かりました。
CVRがもっとも高かったのはイケアです。サイト訪問者の約10人に1人が商品をショッピングカートに入れているという結果で、CVR12%は驚きの数字と言えるのではないでしょうか。
一方、ニトリ、LOWYAもCVRとしては高い数字となっていました。家具ECサイトを訪れるユーザーは購入の意欲が高い状態で訪問しているため、全体としてCVRが高くなっていると考えられます。
まとめ
1:イケア
イケアで特徴的だったのは、ショッピングカートページの中間CVRの高さ。日本国内でユーザー数をもっとも多く持つニトリにも、中間CVRでは3ポイントほども差をつけていました。ユーザー数はややダウントレンドですが、サイトを訪れたユーザーが購入まで至る割合が高いことがわかります。
2:ニトリ
国内の家具ECサービスでは圧倒的にユーザー数を持っているのがニトリ。サイト・アプリ合算のユニークユーザー数はおよそ770万人と、日本国内のユーザーの熱い支持がうかがえます。ニトリはシンプルなデザイン性からか、他2つに比べて20代〜60代までの幅広い年齢層が使っていることがわかりました。どんな世代にも使ってもらえる家具を取り扱っていることが、ユーザー数の多さの理由かもしれません。
3:LOWYA
他2つに比べて、20代・30代の割合が高かったのがLOWYAです。トレンドを取り入れたデザインが、若者の心を掴んでいると言えるでしょう。また、インテリアコーディネートなどのコンテンツを配信しているLOWYAのアプリは、ここ最近ユーザー数も伸びているようでした。
今回は、家具ECサービスのイケア・ニトリ・LOWYAの3つのサービスを比較し、中間CVRを分析してみました。分析に使用したのは市場・競合調査サービス「eMark+(イーマークプラス)」。eMark+の無料機能では、ユーザー数やデモグラフィック属性といった基本指標を簡単にチェックできます。
今後のマーケティング施策の参考になれば幸いです。
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