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第10回 ウェアラブルデバイスの“ものさし”となり得るParrotの 「Zik 2.0」“ウェアラブル”の今(2/2 ページ)

Parrotが開発したワイヤレスヘッドフォン「Zik 2.0」は、非常に現実的かつスマートなウェアラブル体験が行える製品だ。今後のウェアラブルを考える上で、1つのものさしになると考えている。

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スマホからネットにつながりプロファイルを取り込む

 もう1つ、ウェアラブルデバイスらしい特徴として、スマートフォンを介したインターネットの活用がある。

 Zik 2.0では前述の通り、自分でもプリセットをつくることができるが、アプリ内からはアーティストが設定したZik用のプリセットを適用することもできる仕組みを用意している。

 つまり、アプリを介してインターネット上に公開されているプリセットを、ヘッドフォンに読み込めるということだ。

Parrot Zik 2.0
アプリからはアーティストによるプリセットをダウンロードしたり、自分のプリセットをシェアしたりできる。インターネットにつながるヘッドフォンを、ウェアラブルデバイス的に、スマートフォンのアプリを介して実現している

 また自分のプリセットを共有することもでき、音楽をスマートフォンで聞く体験、あるいはその音質を他の人と共有することができるのだ。みなが同じヘッドフォンを使っているため、同じ設定を行えば、基本的に同じような音が出る。

 例えばユーザー間で「ジャズ」に向いたセッティングや「ロック」が心地よいセッティングなどが交換され、コミュニティとして発展しそうだ。

 スマートフォンでコントロールして快適に利用するウェアラブルデバイスの体験がインターネットにつながることで、アプリや設定、すなわちそれらが作り出す「体験」が共有されるようになる。これまでのソーシャルメディアの「情報の共有」から一歩深まったコミュニケーションと言えそうだ。

 ワイヤレスヘッドフォンは必ずしも新しいデバイスではない。しかし、スマートフォンのアプリからのコントロールやネットを介した他のユーザーとの共有は、ウェアラブルデバイスで行われることをよく学んで行った実装だ、と位置づけることができるだろう。

 こうした経験を重ねながら、ウェアラブルが本格化する1年を迎え、また作って行けるようにしたい。


 さて、末筆になりましたが、良いお年をお迎えください。2015年も、引き続きのご愛読、よろしくお願いいたします。

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