「絶版違法マンガファイル浄化計画」、漫画家の赤松健氏が立ち上げ

ネットに出回る絶版漫画の違法ファイルに対抗するため、赤松健氏が「浄化計画」を発表。ネットユーザーの力を借りて違法ファイルを回収し、作者から許可を取って合法化するという。

» 2011年04月12日 09時35分 公開
[ITmedia]
ブログで「絶版違法マンガファイル浄化計画」を発表

 ネット上に出回る絶版漫画の違法なファイルを合法化し、作者に利益を――漫画家で絶版漫画配信サイト「Jコミ」を運営する赤松健氏が、「絶版違法マンガファイル浄化計画」を立ち上げる。

 P2Pネットワークなどでは、漫画をスキャンしたJPEG画像をまとめたZIPファイルが出回っている。出版社は連載中の作品についてはこの種のファイルを監視しているが、絶版漫画に対しては対策が取られておらず、ネット上で違法に流通している絶版漫画の権利は「誰も守っていない」と赤松氏は指摘している。

 同氏はこの状況を受け、絶版漫画の違法なZIPファイルを回収して合法化する「絶版違法マンガファイル浄化計画」をブログで発表。この計画では、ネットユーザーの力を借りて絶版漫画のZIPファイルを集め、作者から許可を得て広告を挿入して配信し、利益を全額作者に還元する。

 「最終目標は、ネット上に流れる全ての『違法な絶版マンガファイル』を、『広告入りの正規版(作者がOKしたもの)』と入れ替えること!」(赤松氏)

 この計画はJコミが正式オープンする4月12日に開始する。同氏はネットユーザーに対し、違法な絶版漫画のファイルをJコミに提出するよう呼びかけている。Jコミは提出されたファイルをすぐには公開せず、作者に連絡を取り、配信許可を得て「浄化(合法化)」してから公表する(その際、作者からプロバイダ責任制限法に基づいてファイル提出者の個人情報請求があったとしても、Jコミはファイルを公開していないため請求に応じる必要はないとしている。ファイルの削除要求には応じるという)。

 ただし配信許可を取るには時間がかかりそうだ。Jコミは既に作品の公開を許可している作家のホワイトリストを持っているが、ほとんどの漫画ファイルは新たに作者の許可を得る必要がある。作者が亡くなっており、遺族も見つからない場合は、文化庁で裁定手続きを取って作品をJコミに収録できるが、それにも時間が必要だという。

 赤松氏は昨年、絶版漫画の違法流通に対抗するためにJコミを立ち上げた。同サービスは絶版漫画を広告入りでネット配信し、収益を作者に還元している。

関連キーワード

漫画 | ファイル | 絶版 | 違法 | Jコミ | 赤松健 | 広告 | 漫画家 | P2P


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」