4000万円の3Dプリンタで、自分フィギュア化計画:あんなところまで再現!?(2/3 ページ)
スキャンされてみた
Artec-MHTは、格子状の光を当てながら物体を高速撮影することで形状を読み取り、3Dデータ化する。読み取ったデータは、ケーブルで接続したPCにほぼリアルタイムに表示されるため、確認しながら撮影できる。持ち運び可能なハンディタイプで、屋外でもスキャンOKだ。
フィギュアの制作現場で活用されているほか、人体をスキャンして義手や義足作りに生かしたり、文化財をデジタルデータで保存するのに役立てられたりしている。米国では警察が白骨死体を3Dスキャンし、事件現場の状況を詳細に残す――という例もあるなど、用途は幅広い。
ということで記者もスキャンされてみよう。全身を丁寧にくまなく撮影していく。首の内側や鼻の穴など影の部分も入念に。空港の手荷物検査場でボディチェックを受けているような気分を味わう。顔に光が当たるとちょっぴりまぶしい。
読みとったデータから、背景の壁など不要な部分を削除し、撮影から15分ほどで記者の3Dモデルが完成してしまった。スカートのドレープや腕まくりしたスーツのしわ、ほっぺたの丸みなども忠実に再現されていて、なかなか生々しい。
いよいよ模型に
さあここからは3Dプリンタの出番だ。さきほどの3Dモデルを元に、記者の立体模型を作る。Connex500は、造形エリアにアクリル樹脂を吹きつけ、UVライトで固める――という作業を繰り返し、薄い層を重ねて模型を作る仕組み。3Dモデルを輪切りにし、下の層から固めて積み上げていくイメージだ。
今回は、記者の首から上と全身の2種類を同時に制作することにした。アクリル樹脂を1回吹きつけるごとに16マイクロメートルずつ厚くなっていく。あとはひたすら待つだけ。「頑張れ、3Dプリンタ界のロールスロイス!」――そう祈り続けて(?)約40時間、ついに完成した。
薄笑いを浮かべた物体を前に、なんだかとても不思議な気持ちになる。スーツの襟の盛り上がりやタイツのしわ、ほうれい線など、造形の細かさはびっくりだ。化粧は再現されないため、残念ながらすっぴんでデスマスク風のフェイスではあるが……。
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