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» 2011年06月21日 19時52分 UPDATE

6550万年前の因縁蘇る:ティラノサウルス対トリケラトプスの全身復元骨格組み立てに潜入してみた

7月2日から開催される「恐竜博 2011」で展示されるティラノサウルスとトリケラトプスの全身復元骨格ってどうやって組み立てているの? 世界初公開や新発見も盛りだくさん!

[加藤亘,ITmedia]
wk_110621dino16.jpg ティラノサウルスがトリケラトプスを待ち伏せているの図(完成)

 7月2日から10月2日の期間、東京・上野公園の国立科学博物館で開催される特別展「恐竜博 2011」に展示される、ティラノサウルスとトリケラトプスの全身復元骨格の組み立てが公開された。

 ティラノサウルスとトリケラトプスといえば中生代白亜紀末期に生息した恐竜界の2大スター! 「恐竜博 2011」では両者が対決するような姿で再現されるという。小さい頃から恐竜の図鑑をこよなく愛した記者としては行かないわけにはいかない。

 「恐竜博2011」ではティラノサウルスとトリケラトプスだけでなく、最近5年間に新種として発表された恐竜の実物化石も国内初公開される。本展ではアロサウルスやステゴサウルスといった人気のある恐竜の最新研究成果も発表される。

 組み立ての現場にお邪魔した時はティラノサウルスを終え、これからトリケラトプスに取り掛かろうとしているまさにその時だった。カナダから輸送された木箱を開けるとパーツごとに梱包されたトリケラトプスの骨が現れる。なお、公開された組み立ては、事前におおまかな部位ごとに固定された状態のもので行われた。

wk_110621dino01.jpgwk_110621dino02.jpg 普段は組み立てが終わった姿で展示される。だが今回は、梱包された木箱を開けるところから、各パーツを組み立てていく作業を目の当たりにできた。組み立ては骨に通した鉄パイプをはめ込むだけと意外と簡単そうだが、なにせ重量がある。ぶつけないように、壊さないようにと慎重に行われた。写真はクライマックスともいえるトリケラトプスの頭部御開帳の様子。木箱には頭と尻尾が厳重に収納されていた

wk_110621dino03.jpgwk_110621dino04.jpg だいたい1体につき2時間ほどで組み上げていく。トリケラトプスの完成を待つまで、しばしティラノサウルスを眺めてみた。ティラノサウルスはしゃがんで待ち伏せする姿勢を取っており、この姿勢で復元されるのは世界初。まさに飛びかかろうとしているところだが、前から見るとなんかかわいい……。ちなみに作業中なので、写真に工具や脚立、毛布などの緩衝材が散逸しているのはご容赦いただきたい

wk_110621dino05.jpgwk_110621dino06.jpg 復元されたティラノサウルスは、アメリカ出身。さまざまなパーツをつなぎ合わせると全長10メートルほどの全身骨格が完成する。注目してほしいのは、2本の後ろあしとその間にあるブーツ形の恥骨(左の写真)。最新のコンピューター解析の結果、巨体を地面につけて安定させて座ることができたことが分かった。今回の展示では「待ち伏せティラノ」として人気を集めそうだ。普段、立ち姿が多いティラノサウルスだけに、顔を間近に見れるのがうれしい

wk_110621dino07.jpgwk_110621dino08.jpgwk_110621dino09.jpg トリケラトプスの組み立ては、腰骨を起点に後ろ足を固定。胴体をはめ込み前足を固定して自立させる。そこに恥骨と尻尾、その名前の元となった特徴的な頭部をはめ込んで完成となる。ちなみにトリケラトプスは、3本の角がある顔を持つ恐竜という意味。組み立て中は普段なかなか見れない足の裏や背中の上部も見ることができました

wk_110621dino10.jpgwk_110621dino11.jpgwk_110621dino12.jpg トリケラトプスは手の甲に注目してほしい。これまで前あしの肘を横に突き出し、腕立て伏せをするような姿で復元されることが多かったが、最近の研究で手の甲は外側に向き、親指と人さし指、中指で体を支えていたことが分かった。今回の復元でしっかり反映。世界初となる

wk_110621dino13.jpgwk_110621dino14.jpgwk_110621dino15.jpg なかなか見れないトリケラトプスの背中や頭部がない状態のジョイント部。組み立ては右の写真のように、あらかじめパーツごとに固定されているものをはめ込むだけと簡略化されていた。実際の全身復元骨格でも、よく見ると固定部が分かる

wk_110621dino17.jpg 真鍋氏は身ぶり手ぶりを加えて、実に楽しそうに本展の趣旨と見どころを紹介してくれた

 組み立て後には、本展監修を務める真鍋真氏による解説も行われた。やはりポイントはティラノサウルスの待ち伏せ状態での展示と、トリケラトプスの前足について。死肉を食べていたとも言われているティラノサウルスだが、同時代のトリケラトプスの骨に治癒しているティラノサウルスの歯型が残っていることや、こうして待ち伏せ状態ができることが分かったことで、捕食者説を本展では採用していることを説明した。トリケラトプスの先祖が二足歩行から背の低い草を採取するように四足歩行へと進化していったことから、従来のガニ股ではなく小さく前ならいをしたような前足だったことを解き明かしたとも。ティラノサウルスに体毛があったとする説を採用したCG映像も公開されるという。


wk_110621dino18.jpgwk_110621dino19.jpg 恐竜博2011では、順路をたどるとトリケラトプスが登場。角を曲がるとティラノサウルスが待ち伏せしているというドキドキの体験が味わえる。トリケラトプス、危うし!

wk_110621dino20.jpgwk_110621dino21.jpgwk_110621dino22.jpg ティラノサウルスは慣例により愛称がつけられることが多い。今回展示されているティラノサウルスは発見者の名前にちなみ「バッキー」というのだが、トリケラトプスには愛称がないそうだ。トリケラトプス、悲しい!

 ちなみに今回の「恐竜博 2011」では、ファソテックの技術協力のもと3Dプリンタによる恐竜の化石レプリカを復元している。Objet Geometriesの「EDEN」をはじめとした3Dプリンタは、発掘した化石をスキャンしたデータから簡単にレプリカを造形できるとして、研究機関から期待が集まっている。今回、アルバロフォサウルスや鳥(レア)の前肢レプリカが復元され展示される。こちらも注目してもらいたい。

 なお、「恐竜博 2011」ではティラノサウルスやトリケラトプスとは別に、三畳紀のプラテオサウルスとエオドロマエウス、ジュラ紀のアロサウルスとヘスペロサウルスと各時代のライバルたちが対峙して展示されるのも見どころ。恐竜の色が分かるきっかけとなった羽毛恐竜アンキオルニスや新種の肉食恐竜ラプトレックスの化石を展示。始祖鳥の実物化石(サーモポリス標本)も日本初公開される(7月2日〜7月10日の期間)。

  • 「恐竜博 2011」
  • 開催期間:7月2日(土)〜10月2日(日)
  • 開催会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
  • 会館時間:午前9時〜午後5時(8月11日〜8月17日の期間は午後6時まで)
  • 休館日:7月4日、7月11日、9月5日、9月12日、9月20日、9月26日
  • 料金:一般・大学生 当日1500円/前売・団体1200円、小中高校生 当日600円/前売・団体500円(※水曜限定レディース券1000円)
フィギュア付き前売券(1500円)は7月1日まで。公式サイトなどで販売している

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