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» 2011年07月26日 12時30分 UPDATE

Googleが勝てない検索サービスが作られる場所:歯磨き専用スペースに結婚相談所も! 至れり尽くせりの韓国NHNオフィス訪問リポート (1/2)

韓国のネット検索サービス「NAVER」を運営するNHN。Googleを圧倒する原動力がどのように生まれているのか。地域住民も利用できる図書館やフロアを丸ごと使ったカフェ、結婚相談コーナーまで。社員の要望に応えた設備満載のNHN本社を紹介する。

[山本恵太,ITmedia]

 NHNは、韓国のネット検索サービスで約70%という圧倒的なシェアを誇る「NAVER」を運営する会社だ。日本ではネットゲームサービス「ハンゲーム」の運営会社としても知られ、2010年4月には日本法人のNHN Japanがライブドアを子会社化したことが記憶に新しい。1999年の設立から年間売り上げ1000億円を超えるまでわずか10年。韓国を代表する会社に急成長したその原動力を本社ビル「グリーンファクトリー」で探った。

ky_green_0725_001.jpg 韓国NHN本社「グリーンファクトリー」
ky_green_0725_002.jpg 韓国「NAVER」
ky_green_0725_003.jpg 「ハンゲーム」(日本サイト)

 グリーンファクトリーは、ソウル中心部から車で30分ほど離れたブンダン(盆唐)という街にある。地上27階、地下8階の巨大なビルで、NHNや関連会社の社員約3000人が働いている。完成は2010年5月で、当初は半分を賃しオフィスにする予定だったが、会社の成長が早すぎたため、貸すどころかフロアが足りず第2ビルの建設を計画しているという。

 本社の名前は、NAVERのイメージカラーである緑色から来ているが、エコロジーの意味も含まれており、ビルの内部では随所にその工夫を見ることができる。またブラインドの代わりに設置されている「ルーバー」と呼ばれる緑色の遮光板により、外から緑色のビルとして見える仕掛けになっている。

ky_green_0725_004.jpg 「green factory」。工場(factory)という言葉が持つ「同じものを量産する」というイメージを覆し、新しいネットサービスをここから生産していくという思いが込められている
ky_green_0725_005.jpg ルーバーは小さな穴が無数に空いている板で、ブラインドと違って遮光しつつ外を見ることができる。日差しに応じて自動で開閉されるが、手で簡単に動かせる
ky_green_0725_006.jpg ルーバーの変化によって外から見たビルの印象が変わる。内側にも外側にも圧迫感を与えず、楽しめるデザインだ

 グリーンファクトリーは1階から27階まで、一貫してオフラインでコミュニケーションを生むための仕組みを整えている。コミュニケーションによる問題解決の重要さをオフラインで知っているからこそ、NAVERのオンラインサービスを支える知識検索(「知識in」というQ&Aサービス)が魅力あるサービスになり、Googleとは違う検索サービスとしてネットユーザーの支持を得ることにつながっていると考えているためだ。

 ここからは、オフラインでのコミュニケーションを生むため、グリーンファクトリーでどのような工夫がなされているのかを紹介する。

地域住民にも開放された空間

 グリーンファクトリーは1階と2階を社員だけではなく地域住民にも開放している。入りやすいよう、正面玄関では制服を着た警備スタッフが仁王立ちするのではなく、スーツを着たスタッフがホテルマンのようにお辞儀をして出迎えるようになっている。受け付けも入口の対面ではなく、横に置かれている。

ky_green_0725_109.jpg 受付が入口を向いていないので、ビルに入りやすい
ky_green_0725_110.jpg 歓迎されました
ky_green_0725_111.jpg NHNグッズを販売している「NHN STORE」

 1階と2階には図書館やCONNECT HALLと呼ばれる多目的ホールがある。図書館では社員だけではなく、近隣の住民が本を読んだり、PCで作業をしたりと、自由に利用する姿を見ることができた。

ky_green_0725_100.jpg 図書館には社員だけでなく地域住民など誰でも入ることができる
ky_green_0725_101.jpg 本棚に飾られている写真に写っているのは、図書館で働いているスタッフ
ky_green_0725_102.jpg 図書館の1階部分。勉強のために利用する学生もかなりいるという

 図書館は2フロアにわたり、デザインやITの専門書を約2万冊所蔵している。「オンラインで知識を得るにはNAVERで検索する方法があるが、オフラインではどうか」と考えたとき、図書館という結論になったという。韓国語だけでなく日本語や英語の本も多数置かれており、社員が出張の際に持ち帰ったものもある。今後は電子書籍の提供も検討する予定だ。

ky_green_0725_103.jpg 「月刊ニュータイプ」の韓国語版
ky_green_0725_104.jpg 「MUJI無印良品」がオススメ本コーナーに置かれていた
ky_green_0725_105.jpg 「少女イラスト見本帖」

ky_green_0725_106.jpg CONNECT HALL
ky_green_0725_107.jpg 障がい者用の9席を含む全260席
ky_green_0725_108.jpg 全席に電源設備が付いている

 1階にはNHNグッズを売っている店もあり、ゲームグッズから他社とコラボした商品まで多数揃っている。入口にはNHNが開発したオリジナルのハングルのフォントを使ったグッズが並んでいた。オリジナルフォントは、同社のサイトでデータを無料配布している。韓国ではハングルのフォントが少ないためだ。韓国に行く機会があれば、ぜひ街の看板を観察してみてほしい。同じフォントが使われていることが多いのに気付くだろう。

ky_green_0725_112.jpg NHNグッズショップの中
ky_green_0725_113.jpg グッズショップで売られている商品。右側はNAVERの帽子で、奥は子供用の帽子。NAVERには子ども向けの「ジュニアネイバー」というサイトもある
ky_green_0725_114.jpg お店の一番人気は「Hangame Platinum Chipset」。カジノがある韓国ならでは

 2階には図書館と多目的ホールのほかに、ギャラリースペースがあり、NAVERのユーザーが投稿した写真を展示することがあるという。筆者が訪問したときはオンラインゲーム「TERA」の原画展が開かれていた。

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ky_green_0725_117.jpg キャラクター人気投票

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ky_green_0725_121.jpg 通勤用のシャトルバスにも「TERA」のラッピング
ky_green_0725_122.jpg こちらは「ジュニアネイバー」のラッピング車
ky_green_0725_123.jpg 「Kingdom Under Fire II」仕様の社用車も

ky_green_0725_124.jpgky_green_0725_125.jpg 2階にはプレスルームもあり、登録した現地メディアの記者がネット回線やプリンタなどを自由に使える。日常的に利用されるものではないようで、“作ってみた”という印象

重要な決定はカフェでするのがNHN流

 4階はフロアのほとんどがカフェになっており、多くの社員で賑わっていた。広いカフェスペースを確保したのは、NHNができたばかりのころ、スターバックスで重要な決定を話し合っていたため。実際にこのカフェでも、仕事に関する話が多いという。

 カフェでは1日に約2500杯のコーヒーが注文されている。ビルで働いているのが3000人と考えるとかなりの量だが、これは「上長が部下におごるのは当然」という韓国の文化によるもの。ぜひ、日本の上長も真似してほしい。

ky_green_0725_200.jpg 4Fはフロア全体がカフェになっている
ky_green_0725_201.jpg 内装は木で統一
ky_green_0725_202.jpg 屋外スペースもあり、ビルで唯一の喫煙コーナーが設けられている

 カフェの入口近くには面接室が設けられている。ここに面接室を作ったのは、カフェに来て社風を肌で感じてもらうほうが、ただ資料を見てもらうよりNHNを理解してもらえるからだ。隣にはファミリーマートがあり、案内してくれたスタッフによると「本当は日本の“ファミマ!!”(オフィスビルなど特定施設内に出店するファミリーマートの新ブランド)を作りたかったのですが、韓国にはまだ(そのブランドが)ないため、実現せず残念でした」とのこと。

ky_green_0725_203.jpg この先は採用面接を行う面接室が入っている
ky_green_0725_204.jpg 面接室の隣にあるコンビニは韓国で出店数を伸ばしているファミリーマート
ky_green_0725_205.jpg お菓子とアイスコーヒーのワゴン

 4階はフロアは全体が公園をイメージして作られており、エレベーターホールの壁が木で覆われていたり、壁に植物を植えたプラントウォールが設けられている。ペットボトルをリサイクルした椅子や、輸入家具の運搬に使った箱をリサイクルした机など、エコを意識した内装も多く見られた。

ky_green_0725_206.jpgky_green_0725_207.jpgky_green_0725_208.jpg 4階カフェフロア

 印象的だったのは、モバイル端末の体験コーナーだ。国内外の最新端末が展示されており、これまでPCが主力だったNHNのスマートデバイスへの注目度がうかがえる。社員たちが手に取って盛り上がっている姿もあり、こういったコミュニケーションから新しいアイデアが生まれてくるのだろう。

ky_green_0725_209.jpg 最新端末を触ることができる「N-TOUCH ZONE」
ky_green_0725_210.jpg 日本未発売の「Xperia PLAY」が展示されていた
ky_green_0725_211.jpg Celluonのバーチャルレーザーキーボード「Magic Cube」

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