絶版漫画Web配信の「Jコミ」に有料サービス 成人向け漫画など公開

絶版漫画を無料で公開している「Jコミ」が、成人向け作品を取り扱う有料サービスのテストを開始する。成人向けパロディ同人誌を合法化して公開する計画も。

» 2011年09月15日 13時57分 公開
[ITmedia]
赤松健氏がブログで有料サービスを発表

 絶版漫画のネット配信サービス「Jコミ」が、現在の無料配信に加えて有料サービスを導入する。10月1日からβテストを始める。

 有料サービス「Jコミ・プレミアム」では、絶版の成人向け漫画やボーイズラブ(BL)を取り扱うほか、既刊の成人向けパロディ同人誌を合法化して公開する。料金は月額105円で、年齢確認を兼ねてクレジットカード決済とする。

 成人向け漫画・BLの場合もこれまでと同様、漫画内に挿入した広告からの利益をすべて作者に還元する。Jコミではこれまで一般商業誌に掲載された一般向けの作品のみ扱ってきたが、「娯楽の基本は、何と言ってもエロスとバイオレンス」とJコミを運営する漫画家の赤松健氏は言う。「成人向けのエロマンガや、BL(ボーイズラブ)などを避けて通っているようでは、『マンガ文化の保存』とか言う資格はありません。やはり、絶版になった成人向けマンガやBLも、正しく保存し、鑑賞できるようにならなければ」

 成人向けパロディ同人誌の公開については、「同人OKのガイドライン」を設け、同人誌を許可する漫画家と同人誌を公開してもいいという同人作家をマッチングし、合法的な同人ライブラリを作成する。公開した同人誌には広告を掲載し、収益は作者と同人作家で折半する。

 赤松氏は、この種の同人誌は「著作権的に非常にグレーであるがために、ネットなどで勝手に展示されても、同人作家さんは文句が言いにくい状況」とし、作者と同人作家が合意すれば合法的な同人誌となり、同人作家が違法コピーに文句が言えるようになると述べている。

 このほかJコミポイント制も導入する。ポイントはクレジットカードで購入できるほか、セリフ入力などの作業を行うことでも貯められる。SNS機能でユーザー同士の交流を可能にしたり、プレミアム会員が無料版Jコミを高画質で読めるようにするという。

 赤松氏は、初めはJコミ・プレミアムで公開する作品がないため、絶版になった成人向け漫画を持つ漫画家やBL作家から募集をかけるとしている。

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