「ライトなオタク」増加でオタク市場拡大 矢野経済研究所調査

矢野経済研究所の「オタク市場」調査によると、「自分はオタクだと思う」という人が前年から増加。「オタク」という単語のネガティブな意味合いは薄れつつあるようだ。

» 2011年10月26日 13時36分 公開
[ITmedia]
オタク市場の各分野

 自分はオタクだと思う人は増加しており、約4人に1人に上っている――矢野経済研究所は10月26日、2011年の「オタク市場」に関する調査結果を発表した。

advertisement

 同社が約1万人を対象に実施した調査によると、自分を「オタク」だと思うか、または人から「オタク」と言われたことがあるかという質問に対し、25.5%が「はい」と答えた。前年の同様のアンケートと比べ、5.1ポイント増えたという。「『オタク』という単語のネガティブな意味合いが徐々に薄れつつあり、自身や他者に対してより気軽に『オタク』という言葉が使われるようになっていることがうかがえる」としている。

 「ライトなオタク」の増加を受け、2010年度にオタク市場の規模は拡大。2009年度には世界的不況の影響も若干あったが、2010年度はリーマンショックの影響が小さくなってきたこと、コアユーザーを確実に取り込んでいること、リーズナブルな商品・サービス提供によるエントリーユーザー獲得から、好調に推移したとみられる。

 分野別に見ると、2010年度に拡大したのは、オンラインゲーム、恋愛シミュレーションゲーム、電子コミックなど。オンラインゲーム市場は、ヘビーユーザー向けコンテンツは頭打ちとなっているが、ソーシャルゲームが伸びて前年度比40.5%増の2994億円となった。

 恋愛シミュレーションゲーム市場は同30.2%増の112億円。女性をターゲットとした携帯電話向けゲームが一般女性ユーザーも取り込み、市場拡大に寄与したという。漫画市場は縮小傾向にあるものの、電子コミック市場はコンテンツラインアップの拡大や端末の高機能化、タブレットやスマートフォンの普及といった要因を追い風に、同28%増の540億円となった。

 アニメ化などメディアミックス戦略が奏功したライトノベル市場も好調に推移。同人誌市場は、同人イベントの参加者増、同人誌取扱店やダウンロード販売といった流通チャネル拡大で市場規模が拡大しているが、2011年度は東日本大震災の影響によるイベント中止や自粛ムードなどから、若干縮小すると予測されている。

advertisement

 アイドル市場はAKB48とその派生グループが社会現象化していることなどから、2008年度以降拡大に転じている。ただし、多くの消費者が活性化させているというよりも、同一商品を大量に購入、コンサートやイベントの常連となるといった、熱烈なコアファンが市場を支えているとみられるという。

 矢野経済研究所は今後のオタク市場について、自称・他称問わず「オタク」層が増加していること、「オタク」でない層もユーザーとして多数参入していることから、今後も規模は拡大すると予想している。ただし国内市場は成熟しつつあるとして、事業者にとって海外ユーザーも含めたマーケティングが不可欠になるとみている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/25/news050.jpg 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
  2. /nl/articles/2503/23/news042.jpg ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  3. /nl/articles/2503/24/news034.jpg 「多分日本で1位、2位を争う」 3児のママが書いた“通園経路図”がすごい! 「えーめちゃ最高ですね」「中高生だったら溜まり場」
  4. /nl/articles/2503/23/news036.jpg サイゼリヤのメニューを片っ端から注文→10人がかりで完食したら…… 驚がくのレシートに「やすぅ」「すごすぎ」
  5. /nl/articles/2503/23/news033.jpg 段ボールに切れ込みを4つ→“信じられない変形”をするライフハックに80万再生の反響 「今世紀最高の技だ」
  6. /nl/articles/2503/25/news066.jpg 「なんだこの暗号は……」 マクドナルドの“大人だけが読めるメッセージ”が410万表示「懐かしい~」「読める人同世代w」【マクドナルド面白投稿まとめ】
  7. /nl/articles/2503/25/news047.jpg セリアのクッションカバーを2枚縫い合わせるだけで…… “まさかの完成品”に「なるほど!」と驚きの声
  8. /nl/articles/2503/24/news181.jpg つるの剛士、大学卒業式で判明した“本名”が珍しすぎて読解困難 証書に書かれた一文字へ「難しい漢字だったの忘れてました」「鶴じゃなくて」
  9. /nl/articles/2503/25/news028.jpg 「これはうれしい」 引っ越しのあいさつでもらった手土産、開封したら…… “センス抜群の中身”に「参考にしたい」
  10. /nl/articles/2503/25/news039.jpg ドイツ人女性「今まで自分で髪を切っていた」→日本で“美容室”を初体験すると…… “印象激変”のビフォアフに仰天「生まれ変わったみたい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に