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» 2011年11月15日 12時00分 UPDATE

「3、2、1、スプラッシュ!」で海にダイブ! 東京初の水陸両用バスに試乗してきた

2012年秋の運行開始を目指す水陸両用バスが初公開。水しぶきを上げての東京湾ダイブはまるで遊園地のアトラクションだ。

[山本恵太,ITmedia]
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 バッシャーン! 水しぶきを上げて勢いよく海に飛び込んだバスが、沈むことなく進み始める――11月14日、東京で初となる水陸両用バスの運行を目指し、若洲海浜公園ヨット訓練所(江東区)で「スカイダック(SKY Duck)」の関係者向け試乗会が開催された。

 スカイダックは見た目は観光バスと似ているが、先端が船首のように丸みを帯びている。車体にはタイヤがあって船のようで車だし、後方にはスクリューがあってバスのようで船でもある。不思議な感じのする外観だ。全長は約12メートル、高さは約4メートルで乗務員含め34人が乗れる。

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 飛行機のタラップような階段を上ると、車内には青いシートが並んでいる。座席は遊覧船のデッキにあるようなプラスチックのイスではなく、普通のバスの座席と似ているが、濡れてもいいようにカバーはつるつるしたナイロン風の素材を使っている。天井は透明なアクリル板で、窓にはガラスが入っておらず、雨天時には透明なロールシートを下ろすようになっている。車内は普通のバスとあまり変わりないが、座席の下に救命胴衣が用意されているのが、陸上専用のバスとは決定的に違うところだ。

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 座席は地上から1メートルほどの高さだが、開放感があるためか実際より高く感じ、これからの“船旅”への期待も高まる。添乗員の合図でみんなで「いってきまーす」と地上に手を振って、スカイダックは出発した。エンジンがかかって車体が震える感じは、普通のバスと変わらない。陸上を走るときは多少左右に揺れる感じがあるものの、通常のバスとの違いはあまり感じなかった。50メートルほど走って、いよいよ東京湾に突入だ。突入直前に一旦止まって加速するのが、「いよいよ来るぞ」という感じでドキッとする。

 添乗員の「3、2、1、スプラッシュ!」という合図とともに、バスは海にダイブ。フロントガラスが見えなくなるほどの大きな水しぶきが上がった。遊園地のアトラクションのような体験とは聞いていたが、予想以上に興奮してしまう楽しさだ。海に入ると後方から大きなエンジン音がしてスクリューが動き、バスが進み出す。車体下部にタイヤなどの水中で抵抗になる部分が多いため、通常の船に比べると速度が落ちるものの、遅いと感じるほどではなかった。

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 試乗会は、東京湾へ出て葛西臨海公園や東京ディズニーリゾートを眺めて戻る5分ほどのコース。海上でも揺れることなくゆったりと航行していた。天気もよく風もない日で心地よかったが、窓がないため冬は寒く感じるかもしれない。実際の運行で使うコースは未定だが、スカイツリーが見えるルートを予定している。

 上陸の際は、前輪と後輪がヨット用のスロープに付いたときにガタンと突き上げるような衝撃があった。衝撃と言っても入水の際よりは静かで、少し拍子抜けしてしまうほど。無事に陸に上がることができると、試乗会の乗客たちからは拍手が出ていた。

スカイダックにはエンジンが2つ、免許も2つ

 スカイダックは米国CAMI社製の水陸両用バスを日本仕様に改修したもの。観光バスを運行する日の丸自動車が2台導入した。エンジンは陸上用と水上用の2つを積んでおり、陸上用が前(後輪駆動)、水上用が後ろに置かれている。入水の際は直前に水上用のエンジンを始動し、入水してスクリューを回転させる。上陸の際はタイヤがスロープに付くまではスクリューで進み、タイヤが付いてから陸上用のエンジンに切り替える。

 運転席はハンドルやアクセル、シフトレバーなど見た目は通常のバスと変わらない構成だが、バスにはないものが3つある。まず1つ目が、左のひじ掛けの先端にあるジョイスティックのような小さい棒。これが舵輪(船用のハンドル)で、海賊映画で見る大きさなハンドルとの違いに少し驚いてしまう。2つ目は陸上用のハンドルの右にあるメーター。舵(かじ)が右に向いているか左に向いているかが分かるようになっている。そして最後が右のシフトレバーの後ろにあるレバー。これで水上用エンジンの出力を調整する。

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 試乗会で運転手を務めた伊藤一男さんは、普段は日の丸自動車で観光バスを運転している。水陸両用バスには大型二種免許と一級小型船舶操縦士免許が必要で、突然、小型船舶の免許をとることになってびっくりしたという。水陸両用バスの運用では陸上と水上で免許が異なるため運転手が交代する場合もあるが、日の丸自動車はお客さんを待たせずに楽しんでもらいたいと、4人のバス運転手が新たに一級小型船舶操縦士免許を取得した。

ky_duck_1115_013.jpg 動かなくなってしまった

 スカイダックの運転は「波や風など(陸上に比べて)自然の影響が大きいので難しい」と伊藤さん。実際、試乗会では藻を避けるため上陸をやり直す場面があった。また午前中に試運転をしていたところ干潮のため上陸時に座礁してしまい動けなくなるというアクシデントも発生。潮が満ちた午後の試乗会で、もう1台が入水した際の波を利用して海に戻るという臨機応変な対応も見られた。

開業は2012年秋を目指す

 日の丸自動車は2012年秋にスカイダックの運行開始を目指しており、乗船価格は3000円を目安に検討している。江東区は来秋に東大島の旧中川沿い(中川船番所)に水陸両用バスの入水ポイントを備えた「川の駅」を整備する予定で、同社はそれに合わせてスカイダックを導入した。車体価格は観光用大型バスの約2倍の、1台8000万円ほどだという。

 試乗会には山崎孝明江東区区長も参加し、水陸両用バスの運行が実現すれば「スカイツリー(立地は江東区に隣接する墨田区)と合わせて、江東区の観光名所として江東区の発展に寄与してもらえるのではと考えている」と語った。将来的には豊洲にも水陸両用バスの入水ポイントを設けたいという。

ky_duck_1115_014.jpg 左から、日の丸自動車興業の富田哲史常務取締役、富田浩安代表取締役社長、江東区の山崎孝明区長、堀川幸志区議会議長、秋田茂夫区議会副議長、東京都の秋山俊行都知事本局長

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