12月某日、記者はとあるソース工場へ向かっていた。編集部のある東京・大手町から電車を乗り継ぎ、2時間かけてはるばる栃木県足利市へ。一応ITとネットが専門のねとらぼ記者がなぜ栃木県のソース工場へ向かっているのか。それはさかのぼること1カ月前――。
ねとらぼの記事を多くの人に読んでもらいたいと、常々考えていた編集部。「良い意味で『ソース(情報源)はねとらぼ』と世間一般に言われるようになったらうれしいね」と話しつつ、いつものように仕事に励んでいた。すると突然先輩記者が「『ソースはねとらぼ』っていうソースを作りたい」とつぶやいた。おいおい、無茶なことを言い出したぞ。記者が驚いていると、編集長も「それいいね!」とやけにノリノリになってきた。こうしてソース作りの壮大(?)なドラマがスタートしたのである。
まずはソースのオーダーメイドを受け付けている会社をネットで探し、10数件ほどピックアップした。「ねとらぼのオリジナルソースを作りたい」と問い合わせてみる。こんな冗談から生まれた企画に乗ってくれる会社はあるだろうかと不安な心境で返事を待っていると、足利市の月星食品から快くOKの返事が来た。
月星食品は創業115年の老舗ソースメーカー。「シナモン風味の焼きそばソース」「糖蜜仕立ての東京とんかつソース」など一風変わったオリジナル商品をネットと足利市内のスーパーで販売している。社員は18人で、現在は5代目の長沼幹雄(39)さんが社長を務めている。
ソースのオーダーメイドを始めたのは11年前。大手メーカーに対抗するべく、「少量でも注文でき、しかも細かなニーズに応える」を売りにしてやってきた。今ではとんかつ専門店などから年間100件以上の注文を受けるまでになった。いずれはオリジナル商品の販売をメインにしていきたい考えだが、まずは月星の名を知ってもらうため、今はソースの受注生産に力を入れている。
長沼社長には「食べ物の味を生かすも殺すもソース次第」と強い信念がある。社長自ら客の細かなニーズを聞き、何度も味の調整を重ね、納得するまで試作するという。その技術は11年間の積み重ねと「天性によるもの」と自信満々だ。メディアからソースの依頼を受けるのは初めてだが、「面白いからやってみようと思った」と今回特別に協力してくれることに。期待が高まってきたぞ。
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