「いまいち萌えない娘」はいかにしてスターダムを駆け上がったのか? 「奇跡」の1年間を振り返る:誕生から1年(1/2 ページ)
昨年ネットを賑わせたものと言えば、神戸新聞社の求人広告から生まれたキャラクター「いまいち萌えない娘」だろう。そんな「いまいち萌えない娘」のねとらぼデビュー1周年を記念して、生みの親である神戸新聞社 デジタル事業局を訪れた。
まさに「公式が病気」(褒め言葉)
神戸新聞社の「いまいち萌えない娘」を当時のねとらぼが取り上げてから、1月14日でちょうど丸1年になる。
「右のキャラクターが、いまいちいけてない(萌えていない)理由を3つあげなさい」
そんな求人広告からはじまった「いまいち萌えない娘」の人気は、Pixivをきっかけに火が付き、ニュースサイトを経由してたちまちネット上へと広がった。確かにいまいち萌えないが、なぜ萌えないかと言われると答えに困る。「どうして萌えないのか?」「こうすれば萌えるんじゃないか?」――議論が議論を呼び、「いまいち萌えない娘」はたちまち注目を浴びる存在となった。
ネットで話題になってからの神戸新聞社の対応は早かった。数日後には公式Twitterアカウントが開設され、次いで専用のFacebookページも作られた。3月には「いまいち萌えない娘」の公式サイトもオープンし、運営による「公式同人誌」(PDF版)は、現在までに累計1万ダウンロードを記録。Pixivやニコニコ動画における二次創作も盛んで、いつしかネット上では「公式が病気」「神戸新聞はじまったな」――といった「褒め言葉」(皮肉ではなく本当に)があちこちで聞かれるようになった。「奇跡でしたね」と、「いまいち萌えない娘」を担当する、神戸新聞社 デジタル事業局の矢野正樹さんは当時を振り返る。
なぜ「いまいち萌えない娘」はここまでのコンテンツになり得たのだろうか? 1周年を記念して、育ての親である矢野さんを取材し、「いまいち萌えない娘」の1年間を振り返っていただいた。
ちなみに以下は、昨年ねとらぼが扱った、「いまいち萌えない娘」の記事一覧。今さら突っ込むのもなんだが、扱いすぎである。
【昨年にねとらぼが扱った「いまいち萌えない娘」記事一覧】
- 「右のキャラが、いまいち萌えない理由を3つあげなさい」
- 「いまいち萌えない娘」の公式Twitter出現 「2次創作OK」などFAQも
- “いまいち萌えない娘”の「設定画」公開 「いろんな意味でがっかりするとは思いますが」
- “いまいち萌えない娘”、今度は後ろ姿が! 「興味ないかもですが……」
- “いまいち萌えない娘”の缶バッジが驚くほど萌えない件
- “いまいち萌えない娘”グッズ発売 「萌えの根源に迫る」
- 「いまいち萌えない」じゃないよ 「いま萌える」兵庫のサブカルサイト「いまもえ.jp」
- “いまいち萌えない娘”が案内 「涼宮ハルヒ聖地巡礼マップ」
- 「右のキャラクターを見て、いまだにいまいち萌えない理由を3つあげなさい」
- 「いまいち萌えない娘」がクソゲーになった!?
- 「いまいち萌えない娘」がガンダムになった……!?
- 「いまいち萌えない娘」と神戸デートできる動画公開
偶然が生んだ「いまいち萌えない娘」
「いまいち萌えない娘」が生まれ、ひとつのコンテンツとして離陸するまでには、実は様々な偶然の積み重ねがあった。矢野さんはその偶然を「ピタゴラスイッチのようだった」と語る。
そもそもすべての元凶はあの「萌えない」求人イラストだ。しかし、あれはもともと「萌えない」ように描いたのかというと、そうではないという。「社内でちょっと絵心のある人をつかまえてきて、無理矢理描かせたんです。ただ、その人はいわゆる“萌え絵”についてはまったくの素人で、その結果ああいうイラストになった」(デジタル情報部 部長 西栄一さん)
が、この時点ではまだ単なる「微妙な萌えイラスト」だ。第2の偶然は、そこへ別の部員が「いまいち萌えていない理由を3つあげなさい」という例の設問をキャッチコピーとして追加した点にあった。微妙すぎるイラストと、それを活かした絶妙なコピー。かくして、奇跡の化学反応によって「いまいち萌えない娘」は誕生し、2010年12月29日、神戸新聞ホームページにて最初のデビューを果たすこととなった。
ところが広告を掲載しても、すぐに反応があったわけではなかった。応募が殺到しはじめたのは、応募締め切り日(1月14日)の午後になってから。前々日あたりからPixivや掲示板などで盛り上がっていたのを、ねとらぼがトピックとして取り上げたのが原因だった。
「(もう5時ですけど)これから履歴書を持って行っていいですかとか、明日でもいいですかといった電話が人事部に殺到したんです。京都や大阪からわざわざ届けにくる人や、夜中に通用口まで持ってくる人もいた。あまりの反応の多さに人事部の業務に支障をきたしてしまって、人事担当者からひどく怒られました(苦笑)」(西さん)
最終的に、2名の採用枠に対し100名近くもの応募があった。倍率50倍。普段の応募数は10名ほどだというから、その反響の大きさがうかがえる。応募者の顔ぶれもそうそうたるもので、中には声優志望、歌手志望の人などもいたという。
「でも、それも1つのミラクルだったんです。あのとき怒られたおかげで今がある。たぶんどのパーツが欠けてもこんなふうにはならなかった。あのイラストがあって、あのキャッチコピーがあって、さらにそれを盛り上げてくれたユーザーやメディアがあって……。奇跡のような確率の積み重ねで『いまいち萌えない娘』はここまで来れたんです」(矢野さん)
グッズの売り上げを震災被災地へ寄付
「いまいち萌えない娘」として震災被災地への寄付も行った。2月下旬、キャラクターグッズ製作の「COSPA」から、「いまいち萌えない娘」のグッズを制作したいという提案があり、利益はすべて寄付にまわすという条件でこれを了承した。当初は全額を阪神淡路大震災の震災遺児へ寄付する予定だったが(神戸新聞社も阪神淡路大震災で被災している)、その後3月11日の東日本大震災を受けて、半分を阪神淡路へ、もう半分を東日本の被災地へと送ることにしたという。
またこんなエピソードもある。1冊目の「公式同人誌」が制作された3月中旬のこと。当初頒布予定だった即売会が震災の影響で中止になってしまい、いまいち萌えない娘が「どうしよう」とTwitterでつぶやくと(この同人誌の印刷費用は西さんのポケットマネーから出ていた)、フォロワーから「被災地への寄付分を上乗せして通信販売してほしい」という提案があった。「それはいい」とさっそく購入希望者を募ると、当初用意していた100部はまたたくまに完売、さらに追加で刷った200部もたちまち売り切れになってしまったという。結果、7万円ほどを被災地へ送ることができ、西さんもなんとか印刷代を回収することができたそうだ。
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